弟に、おれのカメラのフタを開けられたときのことを思い出した。
あのときの理不尽さといったら。
どうせロクなもの撮ってないんだと決め付け、もったいないから現像には出さないと言い張る親
知らん振りする弟
いつのまにか俺が弟の手の届くところにおいておくのが悪いといわれる始末
弟11才
「年下だからやさしく」
「お母さんが見てなかったから悪いのよ」
ふざけんなよ・・・
俺の大事にしていたものは、殆ど弟に破壊されている。
同じことを何度も繰り返す。
うちの母親は、殴り合いや血を見るのが死ぬほどいやなので、自分のせいにしてでも兄弟げんかをさせたがらない。
一度、兄弟で包丁で喧嘩をしたことがあるからだろうか。刃がボロボロになった。
俺が大事にしているモノの価値を、うちの家族は理解できない。というか、無視していた(特に弟)。
だから例えば学校で盗難にあっても、学校に貴重品を持ち込むほうが悪いんだ的論法が家庭内で適用された。だから、俺のものに触れたら殺されるという恐怖心を植えつけないと、何されるかわかったものではなかった。
だけれど、高価なものは流石に手出しされなかった。Mac(20万円)やオーディオシステム(15万円)である。
また、大学1年の春に部屋の中の総資産を算出したところ、80万円近くに上った。中1?高3の間に、少しずつ買い集めたPC本体や周辺機器などが重い。更に、そこに多趣味であることが拍車をかけている。
モノを買うときは、なるべく妥協せずに、本格的にやっても追加投資しなくてすむように買う。
だから、一見おもちゃに見えるようなものでも結構するものもあり、扱い方を教えても守らず、ちょっと考えれば絶対できないようなことをされると、怒りも頂点だ。最近の事例だと、デジカメのレンズと液晶をベタベタ触られたうえに、撮影前だというのに俺が寝てる間にバッテリーを使い切られた。俺のバッグに入っていたにもかかわらず、だ。珍しいからだろう。
だから、部屋に鍵をつけてくれと親に懇願したこともあった。
相手にしてもらえず0.1秒で却下された。
せめてガジェット類だけでも守ろうと4桁暗証番号方式の電子セーフティーボックスの導入も検討した。
だが手軽に買える値段ではなかったし、利便性が非常に低下する。
結局、あれこれと隠したり対策しているうちに一人暮らし開始。現在に至る。
だが、結構実家に残してきたものもあり、それらはおそらくひどいことになっている。
何がひどいって、例えば俺の所有物は埃を嫌うものが多いのだが、いつの間にか掃除機のごみパックに突っ込んだような状態になっていて、全然別の部屋の床に転がってたりするのだ。CDは基本的に全部こうなる。
友人Sの場合は更に深刻で、ゲームソフトがいつの間にかなくなっており、どうやら弟に売られているか、弟が友人に勝手に貸して戻ってこなくなっている?らしいのだ。問いただしても、知らないの一点張り。自分の責任を逃れるためなら平気な顔で嘘をつき、回避することに長けるのは末っ子の特権だと思う(偏見)。
更に親も、長男長女では初めてだったことも、末っ子なら慣れっこだ。
つまり、長男長女は育てるにあたっての初体験が多く、ストレスも溜まり、それが子供に行きやすい。
だが、次男次女以降ではそれが少ないのだ。
これは逆に、子供の視点からもそうだ。子が親を説得する必要に迫られたとき、親は子供の経験薄で自分の価値観でしかモノを言えない為、説得に非常に苦労するのだ。俺の世代だと、オバカなバラエティ番組の視聴やゲーム機の購入である。それらができないと友人と話題が合わないから、それなりに欲しかったものだ。また、PCの導入もかなり苦労した。4年以上は強く言い続けていたと思う。PCなんかできたって意味が無い、という概念が親の世代だとあったのだ。
そして、それらを苦労して獲得しても、弟は何の苦労もせずに手に入れてしまう。
「俺だけ」は許されないからだ。
そんなもんである。