REGZA Z3500のHDDを移行

REGZA 37Z3500のHDDを、500GBから1TBに移行したい。
この機種は、世代が古いためCOPYやMOVEといった概念がない。したがってHDDから録画データを外に出すことはできない。しかし、本機種で使用する限りデータの置かれるHDDに制限はない。ようするに本体とデータは運命共同体、データの寿命は本体と同じというわけだ。

REGZAにHDDを接続し初期化するとMBR形式でXFSのパーティションが1つ作られる。
パーティション内にパーティションのUUIDを利用した識別用のファイルが作られ、それをREGZAではHDD1、HDD2と識別している。であるからXFSが読めるLinux上で、全てのファイルを新たなHDDにコピーすれば、元のHDD名で認識されて以降は済んでしまう。

難関は、このXFSが古いため最近のLinuxではマウントやチェックができない点。
2010年ごろの古いディストリを利用し、xfsprogs 2.9.4のパッケージを導入し、ファイルシステムのリペア、マウント、新しいHDDに全ファイルコピー、という手順を踏む。
またファイルシステムが古い点を考慮し、新しいHDDをREGZAに差し込んで先に初期化だけしておくと後がやりやすい。Linuxで新規にXFSパーティションを作成したとて、REGZAで読めるとは限らないからである。

※ただし元のHDDを壊すと大変なので、Windowsで「AOMEI Backupper」や「EaseUS Partition Master」を利用し、新しいHDDにディスククローンし、それを操作するほうがいい。
最後はファイルコピーではなくパーティションの拡張をGPartedにて行う。

第零の難関
VirtualBoxはUSB3.0が苦手

USB3.0のHDDがなかなかアタッチできない。
USB2.0のケーブルを使うとうまくいく。転送速度は下がるが仕方がない。
最新のエクステンションを使う手もあるが、ゲストOSが古いのでやめた。
この点からも、先にWindowsでクローニングすることをお勧めする。

第一の難関
古いディストリが必要

今回はUbuntu desktop 14.04.6を利用した。
古いUbuntuはこちらからDLできる。

第二の難関
古いXFSに対応したツールが必要

ここから
xfslibs-dev_2.9.4-2_i386.deb (290.9 KiB)
xfsprogs_2.9.4-2_i386.deb (1.3 MiB)
をインストール。
また、UbuntuソフトウェアセンターからGPartedをインストールしておく。
GPartedでパーティションのサイズ変更などが可能となる。

第三の難関
ファイルシステムのリペアが必要

REGZAのHDDはいつの間にか壊れている。壊れているとマウントできないのですぐわかる。
※ディスククローンの場合も当然壊れたまま複製される

例えばこんなエラーメッセージが出る。
can’t read superblock.

この場合、普通にxfs_repareしても失敗するし、あらゆる操作ができない。
原因はXFSのログ破損。ログを除去する必要がある。次のコマンドで解決する。

sudo xfs_repair -Lv /dev/sdb1

うまくいったらファイルシステムを修復する。

sudo xfs_repair /dev/sdb1

マウントできることを確かめること。
一度この状態のHDDをREGZAに取り付けて再生できることを確認する。

あとは古いHDDの全ファイルを、新しいHDDにコピーする。
クローニングした新しいHDDの場合は、GPartedでパーティションサイズをMAXまで広げる。

おまけ

REGZA HDD Easy Copy」というツールもある。こちらはUUIDの移行も行ってくれる。