職場が、数千人規模の大きさなので、
売店、自販機、食堂など、殆どの決済がEdy化されている。
Edyでないと支払えない場合もある。
大学や、従業員の多い工場などの大きな事業所では、
Edyやクレジットカードのほかに
社員証にICチップが埋め込まれていたり、
専用のプリペイド電子マネーを導入して決済する例が多い。
理由は何と言っても決済の速さと正確さだろう。
数百人が一気に食堂に流れ込む様を想像していただきたい。
食品の乗ったトレイを抱えたまま現金決済は危ないうえ
レジと人間を駅の改札機のように沢山並べる必要があり
メニューの見間違え、金額の打ち間違え、小銭の発生が避けられない。
人的なコストも重要な問題で、商品価格に跳ね返る。
これらを解決する方法として、電子マネーが使われているわけだ。
電子マネー化される前は、効率化と言えばクレジットカードが主流だったが
預金口座に直結しているリスクと、借金嫌いな日本人の気質から
電子マネーの方が使い勝手が良いのかもしれない。
社員証の電子マネーの場合は、給与天引きの場合ある。
さて、話をEdyに戻すが、
現金かクレジットカードでチャージして、現場で利用するという形態は
JRのSuicaとまったく同じだ。前払い式のプリペイド型電子マネーである。
もともと電子マネーの草分けだけあり、利用できる店舗やシーンも多く
「電子マネー対応」とあればEdyを指していることが多い。
Edyはクレジットカードでチャージできる。
昔はクレジットカードと組み合わせることで大きな利点があった。
コンビニで公共料金や各種税金を支払う時など、Edyで支払えたからである。
本来クレジットカード決済できないものを、間接的に決済することができた。
さらに、「オートチャージ」と言って、
残額が一定以下になると自動でチャージされるサービスもあった。
これにより・・・
1、クレジットカードからEdyにチャージ
→ポイント発生
2、税金や水道料金をEdyで決済
→クレカで払えないものをスピーディーに決済
3、Edyは5万円までしかチャージできない
→支払金額が5万を超えたらオートチャージで2回に分けて支払い
(原則禁止だと思われるが)
4、マイレージなど一部サービスではEdy決済でポイント発生
→チャージと決済のダブルポイントでウハウハ
というポイントスパイラルを生み出すウルトラ決済方法だったのである。
しかもこの間、現金を一切扱わないため、手軽さはこの上ない。
まさに「魔法の電子サイフ」の様相を呈していた。
コンビニで各種税金、公共料金、社会保険(年金)の支払いを全てEdyで行い
年間100万円を超えるツワモノもいた。
一般的なクレジットカードの還元率が1%超えていることを考えれば、
円定期預金の年利が3年モノ0.5%の世において、非常に大きいことがわかる。
しかし、2008年3?4月、魔のルール改悪が次々に行われ、
いろいろと規制されてしまった。
まず、上記ポイント製造法が広まりすぎたため、クレジットカード側が動いた。
Edyチャージにはポイントを付与しなくなったのである。
次にコンビニが動いた。税金や公共料金のEdy支払いができなくなったのだ。
まぁ普通に考えれば現金以外の決済には手数料が存在するわけで
それを地方自治体や公共料金の請求元に負担させなければならなくなり
それを利用する人だけ得をする仕組みというのも、おかしい話だ。
更に、オートチャージが使えなくなった。理由はよくわからないが。
想定される使い方がされなかったか、
カードを紛失して大変なことになった人がいるのかもしれない。
Edyは利用停止という概念がないため、クレジットカードの停止措置となる。
カード会社からすれば、サインなしでカード決済ができる事になるため
リスキーなサービスに違いない。
(クレジットカード直結型電子マネーのiDはどう克服しているんだろ)
この改悪劇は事前告知から施行まで1ヶ月も無かったため、
春の税金支払いのために全力でチャージした人が可哀そうな事になった。
(Edyは換金できません)
今Edyを使う利点は、
ANAマイレージや、ヤマダ、ヨドバシ、楽天カードなどの
Edy提携ポイントサービスくらいだ。
これは200円の決済で1ポイント還元されるというもの。
チャージでポイントが付かなくても、決済でトントンになるし
クレジットカードが使えない店でもEdy支払すれば間接的にカード決済できる。
(例えば、コンビニやキオスクなどがある)
オートチャージはできないが、パソリがあれば自宅でチャージできるし
決済履歴や残高の確認ができるため、現金レスで運用可能となる。
Edyが使えるお店は非常に多いのでそう不便もないだろう。
それ以外のケースでは、Edyを使う利点が無い。
それどころか欠点だらけとなる。
何も考えずに現金チャージで使おうものなら、現金より不便になる。
・現金で決済
預金を引出す → 現金 → 支払
・Edyで決済
預金を引出す → 現金 → チャージ → 支払
不便すぎて気持ちが悪い。
おまけに使用履歴が過去6件しか残らないため、
履歴を見たければ、レシートをためないといけない。
Edyを運営するビットワレット社を儲けさせるために、
皆で「チャージ」の一手間をやってあげているということである。
加盟店からしてみれば余計なお世話だ。
詐欺とまでは言わないが、まったくITを感じない。
はっきり言うと、現金チャージ方式の電子マネーは全て使い勝手が悪い。
(だからクレジットカード直結のiDはとても使いやすい)
成功例といえば、元来の決済方式(切符)を簡便化できるSuicaくらいだ。
そう考えると、決済方式が現金ではないシステムを電子マネー化すると
便利になるのかもしれない。
冒頭に挙げた食堂のEdy化は、食券を無くすことで意味のあるものにしている。
私は以前から電子マネーと言えばカード型iDを多用している。
Edyには及ばないものの、使えるシーンは多い。
例えば週末に、本屋でマンガ買って、マクドでコーヒー飲みながら読み、
映画を見て、イオンで買い物して、ガソリン給油して帰る。
これすべてiDで可能。
ちなみにiDは後払い型のクレジットカード決済となるため、
通常通りにポイントが付くと同時に、使用履歴がすべてきちんと残る。
イオン系電子マネーWAONが、物凄いペースで勢力拡大中である今
今後Edyに未来はあるのだろうか。。
まぁ、WAONとiDに対応してEdy未対応ってことは普通ないけど。
今後、価値を維持していきそうな電子マネーは何と言ってもSuicaだろう。
交通系で唯一無比の勢力を誇り、その中でエコサイクルが回っている。
なんといっても、定期券、乗車券、グリーン券が1枚で済む。
乗越し清算も一瞬だ。駅のロッカーもピッピのピだ。
「コンビニで使える」なんてのはオマケに過ぎない。
JRという社会基盤に根付いた電子マネーは誰もが持っているし、
今ではタクシーやバスでも使うことができる。
交通系以外に進出しなくても、十分すぎる信用と価値を提供してくれる。
VIEWカードと連携すればオートチャージできる点も見逃せない。