社員を育てる会社は、社員に捨てられる会社？

ちょっと今回は、サラリーマンは見て欲しい内容。

社長の講話会があったのだが、要約すると
「社員の力は会社の力になる。だから社員が会社を作っている。
　皆には他の会社からも欲しがられる程の人材になってほしい。
　会社はそれを全力で支援しなければならない」
という事をおっしゃっていた。
この社長はマジメで強く社員との距離を置かない、かなりマトモな人だ。

だが、どーも納得がいかなかった。

もし、社員を高める事が会社の利益になるのであれば
会社はそれを支援する必要がある。
社員が、同業他社から欲しがられる人材になるのは喜ばしい事である。
すなわちそれは会社の力に直結するからだ。

だが、その社員が「自分のレベルアップを最優先」にした場合
当然ながら会社を変えた方が本人のレベルアップに良い場合も多い。
業界で需要ある力をもつ人は、同業他社から欲しがられるのだから尚更だ。

そして転職してしまうのであるが、
そうすると、会社が社員を支援する意味が無くなってしまう。
はてココで矛盾が生まれるわけだ。
いつか帰ってきてもらえるのなら意味はあるのだが、
果たして、一度見限った会社に戻る人はいるのだろうか？

おそらく、その時に会社に魅力がなければならないだろう。
戻りたくなるような魅力である。
戻った方がレベルアップできるとか、待遇が良いとか
愛着があるとか、事業内容に感銘できるとかである。

しかし果たして、そんな魅力を生み出せるのだろうか。
一つの会社しか知らないと、井の中の蛙になってしまう。
その会社にずっといる人は、それが最高だと思い込んでいる。
他社の経験を持ち込み、レベルや生産性の向上に役立てることもできようが
そこにずっと居る人から見ると面白く無いかもしれない。
それなのに、転職者から魅力を感じられるだろうか。

会社の社員教育は、マインドコントロールではないが
自社の利益にならない事をするわけにもいかない。
だから転職だけはさせないようにしたいという腹はあるはずなのだが
それでは他社から欲しがられるレベルにまで自分を高める事に
夢中にさせられるのだろうか。

少なくとも俺は、
そういう考え方を持つためには企業や土地に拘ってたら無理だと思う。
何故なら人生を削って得るための考え方、つまり生き方だからだ。

会社は、真にレベルの高い人を育てるのであれば、
「生き方」を社員に教えて、更に自由も与える必要がある。
しかしそんな事をしたら、転職者がどれだけ生まれるか分らず、
損失は計り知れないだろう。

やはり、矛盾している。

でもそんなの関係ねえ！

要はどこまで自己中になって結果を出せるかが重要なのかもしれない。
生きるとか、競争の中では、自己中は大事な考え方だな。

モチロン、働く事を単に「食うため」「生活のため」という人もいる。
競争したいわけではなく、自分の「できる」レベルを上げたいからでもなく。
そういう人にはわかり難い内容だったと思うが、今は国際競争社会だ。
コードギアスのブリタニア皇帝の思想※1の様な世の中に、益々なる事は予想に難く無い。

※1 平等は腐敗や怠慢を生む。不平等においてこそ競争と進化が生まれる。
　　更には敗者が淘汰される事で、高度な文化を提供でき平和が生まれる。