オーバー

(ビルは人ごみのオーバー)
(リノリウムつづくオーバー)

二時が過ぎて僕らは もう迷った徒歩で
どこまで 夢に見た遠い場所まで
新しいものなんて無かった この町にも知らない景色が増えていた

一つ目の角なら 目をつむっても曲がれる
張り切って頭をポストにぶつけて君は泣いた

どんな言葉をかけても君は すねたままで歩き続けてた
この街が夕日に包まれてた 立ち並んだその影をオーバー

九時を過ぎて 僕はやっと気づいた
暗闇のなか 眠たげに目をこすって
まあどうぞこちらに来て立って 眺めてごらん光の数だけ増えたものを

変わり果ててしまって 自分ひとりが残される
それは寂しいことだと言って君はまた泣いた

(ビルは人ごみのオーバー)
(リノリウムつづくオーバー)

やっきになってまた目をつむって 今度は走っていった君の
その先にもずっと続いてくよ 二人に照らし出された道

CLANNADボーカルアルバム[ソララド]より オーバー(藤林杏のテーマ)