次世代ブロードバンド戦略

政府がブロードバンドにお熱です。
おそらくは、将来的に国がブロードバンドを積極的に使うのでしょうが
そうなると情報弱者という概念をもっと世間に認知させる必要がでてきます。

例えば、田舎で自動車を持っていない人に人権はありません。
私の住んでいる上田では、缶やガラス、ペットボトルに関しては市が回収してくれないので、車でしかるべき曜日と時間に、家から遠く離れた専用の場所まで持って行く必要があります。
つまり全世帯が自動車を所有していることが前提の自治体なのです。持っていない方が悪いのです。

ブロードバンドを国が積極的に活用するとなると、全世帯にブロードバンドがあり、使いこなしている人がいることが前提とされるはずです。すると、車を所有していない人が出てくるのと同じように、使いこなせない人が出てくるわけです。
これが情報弱者とよばれている方々です。

情報弱者は、情報ツールを使用できない(もしくは拒否する)がために、金銭的または人的な損害を被る可能性があります。それは無知故の過ちであったり、世間の常識レベルが変化することによる情報格差で生まれるものです。

もうすぐ、地上デジタル放送が全国で開始され、今までのアナログ放送が追って停波となります。
地上デジタル放送の開始に際し、中継局の方向が変わったり、場合によりUHFアンテナが必要になったり、専用のチューナを搭載したテレビでないと視聴できなくなることを、どれだけの人が知っているのでしょう。そしてそれは各戸が自己責任で管理することになっています。
専用チューナを内蔵したテレビが必要だと言うことは有名だと思いますが、あなたは自宅のテレビのアンテナが、どこの中継局からの何帯の電波を受信しているのか知っていますか?VHFとUHFの違いがわかるでしょうか?最低でも、工事してくれる電気屋さんへの電話番号くらいは分りますよね?
もし分らなければ、それは地デジ弱者といえるのかもしれません。2011年のアナログ放送終了以降、テレビを見ることは適わないのです。

世の中は常に変化していくものです。
それについて行けない人を?弱者と言っているに過ぎません。
そういった人たちをどのようにフォローしていくか。今後の重要な課題といえます。
ただ、ケータイ電話のように必要に駆られると誰しも使いこなせるようになるものです。
そうした期待をもちつつ、自分たちも変化を受け入れる力を養っていかなければなりませんね。
(ぶっちゃけ、そういう方々はほっとく方が自然淘汰されて社会には良いのですが)

技術者は特にそうでなければならないのです。
経験も大事ですが、経験に頼ると古くさい考えしかできなかったりします。
新しいことを積極的に取り入れ、受け入れ、吸収する。いつも考えていることです。