イヴの時間というアニメがある。
TVでは放送されていないが、Web上で公開されており
2ヶ月に一度新作が出ている。
現在はFirst Seasonの全6話中、第3話まで出ている。
これが面白い。
舞台背景は、
日常生活でロボットは当たり前になったが、
ヒューマノイドロボットが一般化して間もない頃の日本。
人型ロボットはアンドロイドと呼ばれる。
アンドロイドと人間の区別は見た目ではわからないため、
アンドロイドの頭上には情報表示を兼ねたリングが点灯している。
(普段は赤く点灯し、命令受付モードでは緑色になる)
この世界ではアンドロイドと人間の区別がつかなくなり、
言う事をきくアンドロイドに現実から逃げてしまう人も増え、
ドリ系と呼ばれ社会問題化している。
脱ロボットを掲げる倫理委員会という組織まで存在する。
家事や人の生活に深く関わる事が出来るアンドロイドは
社会背景を反映して「道具」扱いする事が暗黙の常識になっている。
主人公は、自宅でアンドロイド”SAMMY”を所有する学生だ。
SAMMY(サミィ)は20代の女性の姿をしている。
両親はSAMMYに家事を任せてよく家を空ける。
姉も居るが、自宅にアンドロイドがいる事をあまり快く思っていない。
ある日、主人公は自分のSAMMYから行動記録を取ったところ、
外出先のログに不審な所があった。
気になってログ通りに外を歩くと、「イヴの時間」という喫茶店にたどり着く。
この喫茶店では、アンドロイドの頭にリングが無く、
まるで人間のように振る舞っていた。
主人公は、SAMMYがここに来ているのではと気になりつつも
店の雰囲気にのまれ、アンドロイド側の視点などに気付いていく。
ACT.1で、SAMMYは主人公が聞いていない事を喋るシーンがある。
アンドロイドは、一定の文法で話しかけないと命令を受け付けないのに
このシーンだけは非常に自然に会話している。そして発言前の予鈴も無い。
(作中、アンドロイドはカーナビみたいに発言前はポンと予鈴を鳴らす)
『コーヒーです』
口をつける主人公
立ち去るSAMMY
「やっぱり…同じ…」
背中を向けたまま話すSAMMY
『淹れ方を変えております』
「っ!?」
『マスターが喜ばれるかと』
「お前まで人間の真似するのか!?」
激昂して立ち上がる主人公
『私は人間ではありません。マスター』
「………」
アンドロイドは、人間の事を知りたがっている。
人間が、好きな相手の気持ちを知りたがるように。
また、アンドロイドはロボット三原則に則って作られており、
三原則ゆえのジレンマもある。
1, 人に危害を加えない
2, 上記1に反しない限り、人の命令を聞く
3. 上記1,2に反しない限り、自己を守る
1,2,3に反しなければ、嘘もつくし、隠し事もする。
「主人や人間のため」をいつも考えている存在なのだ。