ミッキー

マウスを1/100インチ動かす単位を『ミッキー』というらしいです。
つまり1/100インチで画面上1ドット動くなら1ドット/1ミッキーとで、
精度比は1というわけです。
命名者はマイクロソフトの古参技術者クリス・ピーターだそうです。
単位名の由来はよく分かりません。
エリア88のミッキー・サイモンとか、ミッキーマウ●とか、諸説あります。
僕としてはミッキーマ●スかなと思いますが。

多分、マウスのドライバを書いていて、突如登場したこの数値に
何らかの単位を付けないと、誰かに説明できなかったんでしょうね。

ところで、最近のマウスでボール式は殆ど見かけません。
光学式やレーザー式になっています。
これらの機構が生み出すメリットは計り知れませんが
マウスに関連する解像度や分解能の指す意味合いが少し変わってしまいました。

ボール式の頃は、同じ距離を動かしたときに、出力する移動量が大きければ高解像度でした。
つまり、ちょこっと動かした時、そのちょこっとをどれくらい分解して検出できるかという能力に優れていたという事です。結果的に、マウスを大きく動かさなくても滑らかに検出されるのです。これはボールの回転検出機構が細かい場合と、マウス内で出力比率を単に増幅させる2種類の方法がありました。マウスという狭い空間ですから、センサのスリットドラムを大きく出来ないため検出機構の細かさは上限が限られています。ですから後者の方式のマウスは結構あったと思います。

これが光学式になると、スキャンする『画像』の解像度という意味が加わりました。
光学式は机の表面を毎秒何千回もスキャンしています。スキャンした画像が細かければ細かい程、机の表面のディティールを検出できるのです。昔のケータイカメラと、デジカメでは画質に圧倒的な差がありましたが、それと同じです。
結果的にスキャン画像の解像度が上がると、マウスの出力移動量も増えます。何故なら、より細かい移動を検出できるようになるからです。そこで初めて、ボール式と同じ意味合いになります。

光学式/レーザー式マウスは高解像度であればある程、凹凸の小さいつるつるした場所でも使えるようになり、よりセンシティブになります。
ですので、高解像度の物を選ぶと良いです。ただし一部のマウスを除いて、ドライバをインストールしないと高解像度・高速スキャンの機能が有効にならない場合があります。繋いだから使える、ではなく、ドライバは是非インストールしましょう。

※技術者的な意見を言えば、何にでも当てはまる事ですが「理由はよく分からないけど、できたからOK」という考え方は絶対NGです。
何故ならそれは誤った解釈や手法をしている可能性が高く、危険性が伴うからです。原因と過程が不明瞭のまま、結果を利用することは只の知ったかぶりなのです。
しかし、家電を始めとする一般向けの機器は原因と結果を隠し、操作をシンプルにするように作られています。ここに、エンドユーザが結果しか求めていないところが見えてきます。理屈を考える大切さは、もっと重要視されるべきかと思います。理屈を考える事は、想像力も鍛えられます。文系やSF好きに物理学マニアが多いのはそのせいでしょうね。