一眼レフカメラは普通、黒い。
今時の一眼レフは樹脂で出来ているが、塗装は黒だ。
ダークグレーなどはあっても、どちらにしろ黒い。
なぜだろうか。
第一の理由はおそらく、高級感だろう。
昔の普及カメラは一眼レフが当たり前で
カメラと言えば(皮の)黒と(金属メッキの)銀だ。
昔は今程、カメラは黒ではなかったと思う。
寧ろ鈍い銀色の機種が多く、黒い機種は高いカメラばかりであった。
そのせいか解らないが、
そういったステロタイプが生まれていてもおかしくはない。
コンパクトカメラのように奇抜なデザインにすると
今時一眼レフを買う人(ステロタイプなカメラを求める人)には
売れなくなってしまう。
アクセ的な意味で『重厚でレトロな雰囲気』を期待する人も同様だろう。
したがって、デザイン上の問題だ。
第二の理由はこれまたおそらくだが、光の反射だ。
例えばガラスや鏡面など、美しい光沢を放つ被写体を撮影する場合
カメラが写り込むと非常に困る。
プール撮影でめちゃアップなのに水しぶきをレンズに当てないくらい難しい。
それを避けるには撮影する角度にするなり、照明を工夫するなり
技術的課題があるが、なによりカメラが自己主張してはたまらない。
だがカメラが黒ければ、カメラの背景も黒くする事で写り込みを防ぐ事が出来る。
まさに、撮影の実際を考えた出力品質に徹した色という事である。
確かにジャングルの兵隊の服が真っ白だったら即死だ。。
第三の理由はコスト。
最近の一眼レフは金属のフレームと樹脂で出来ている。
カメラの内部は光が遮断されているが、パーツの点数は抑えなくてはならない。
パーツの点数を抑えるとは、1パーツで外側と内側の両役を果たすという事だ。
そうすることでネジ等の数や、組立工数を減らす事も出来る。
光を扱う機器は普通、透過や反射を防ぐために内部に黒いパーツを使う。
もちろん、カメラも内部は黒い。(安物やオモチャは別だ)
だからパーツの色を黒で統一してしまった方が、点数を減らせるのである。
というわけで、黒いと何かと利点が多いのだろう。
ちなみに、暗い場所の機器は目立たせないと無くすので白い塗装が多い。
天体望遠鏡は白いものが多いし、宇宙用カメラも白い。
宇宙用カメラは、白くないと熱の問題もある。
(宇宙で日光に当たると黒色はとても加熱してしまうが、放熱手段は放射しか無い)