太陽の熱はどうして地球に届く?

宇宙空間は完全な真空ではありませんが
空気があるわけでは無いので、まず熱は伝わりません。
なのにどうして、太陽は地球を温められるのでしょうか。

太陽は表面で6千℃の熱を持っている恒星で、
太陽の周りにはコロナという100万℃以上の大気があります。
ですが、この熱が何かを伝わってきているわけではありません。

熱量を持つ物体は、赤外線という電磁波を出します。
出てくる赤外線は物体の温度が高ければ高い程、波長が短くなります。
物体の温度の高い所からは短い波長の赤外線が、
温度の低い所からは長い波長の赤外線が出ているという事です。
サーモグラフィはこの性質を利用し、カメラで温度を測定しています。

そして温度がどんどん上昇すると、可視光程度にまで波長が短くなり、
まず「赤い光」の発光として人の目で認識できます。
更に温度が上がると色が黄、緑を経由して、青へと変化します。
(可視光で一番波長が長いのは赤、短いのは紫です)
これはウィーンの変位則という式で求められます。

この光の量は明るさ、温度は色として目に見えるわけです。
熱せられた鉄や、炭火がボウッと赤く発光するのはこのためです。
色については、たき火の赤い火とガスバーナの青い火では温度が全然違います。

よく白色の基点にする色温度というものは、この話に関連します。
色温度が低いと赤っぽくなり、白を経由して、高いと青っぽくなります。
これは真に黒い物体の温度を上げていった際に現れる色です。
(黒体とは、光を含むあらゆる電磁波を吸収する理想的な物の事)
例えば赤い光を出していた場合、それに照らされた白い物体は赤くなります。
周囲全体が赤いのですから、それは赤っぽいけど『白の基点にする』わけです。
これらの現象を黒体輻射といいます。
※すべての発光現象が黒体輻射ではありません。

恒星に色があるのは、その恒星の温度を示しているからです。
つまり太陽が黄色いのは、太陽の表面温度が黄色の温度だからです。

赤外線が当たったものは熱を持ちます。
太陽はこの赤外線で地球を温めているのです。
日光に当たると温かいですが、それは可視光の他に赤外線も当たってるからです。
わかり易く言うと、よく扇風機みたいな形のハロゲンヒーターです。
ハロゲンヒーターが太陽で、赤外線が当たった場所は暖まりますが
室温は上がりません。それは、空気を伝わっていないからです。

この、電磁波による熱の伝達を「放射」と呼びます。
炭火に手を近づけると温かいのも放射です。
赤外線カメラで炭火を見るととても明るいです。

放射以外の熱の伝わり方に、「対流」と「伝導」があります。
何となくわかると思いますが、
エアコンで室温が上がったり、お風呂のお湯が沸くのは対流です。
流体同士が混ざり熱を伝えるのが、対流です。
CPUに密着させたヒートシンクが熱くなるのは伝導です。
直接触れ合った固体同士を熱が伝わるのが、伝導です。

2件のコメント

  1. おおお、、しーこむは頭いいなおい、、、
    ハロゲンヒーターがなんで乙ってるのか分かったお、、、

  2. 自分でも不思議だったので、調べてまとめただけですよ。

    赤外線は波長の長い波ですので
    光として扱った場合、物体への透過率が高いそうです。
    従って、物体を内側から温めることができます。
    日光やコタツ、ハロゲンヒータがじんわりポカポカするのは
    そういった理由ですね。
    その性質のせいで、赤外線カメラでは服や皮膚が透けて写ります。

    ところで、人間の皮膚は半透明です。
    皮膚表面で反射された光と、いくつもの深さで内側で反射される光が
    皮膚独特の光沢とみずみずしさ、透明感を出しています。
    3Dグラフィックスで人物の皮膚が皮膚らしくないのは、
    そういう難しさがあるからです。
    (つまり、リアルさを追求したら何枚も薄い皮膚を重ねて描かないといけません)