mixiのニュースに「給与破壊の衝撃」なる記事があった。
日本のサラリーマンの給与下落を嘆いたものだ。
サラリーマンの09年平均給与406万円。
前年から過去最高の下落額となり、あらためて給与破壊が進んでいる事実が浮き彫りになった。国税庁の『民間給与実態統計調査』によれば、民間企業に勤務する4505万人(平均年齢44・4才、平均勤続年数11・4年)に支払われた、09年の給与 総額はおよそ182兆円だという。具体的にイメージできないほどの巨額だ。ただし、1人平均にすれば405万9000円。内訳は給料手当350万円、賞与 56万円である。
俺に言わせれば、405万円稼いでいる人はかなり良い方である。中の上だろう。
この平均というのは、相加平均であり、真ん中ではない。
100人中、70人が200万の給与でも、29人が500万、1人が1億なら、平均は385万である。
本当は、こういった「一番多い世帯」を常識とする場合の数値は、要約統計量、すなわち標準偏差を用いて、一部の例外的な数値を省かなくてはならない。
ま、親の世代(今50?65歳の人)は、30歳の年収は600万はないと家族を食わせられない、なんて当たり前のように言われていたわけだ。年功序列や、終身雇用が確立されていたからローンだって組めた。だが、今の時代、30で600なんてそういない。絶対に管理職の必要があるし、職種にもよるが、残業規制だってかかっている。ローンなんて怖くて組めないし、まず共働きで余裕でもない限り、家も買えない。車も買えない。共働きでは子供も増やせない。子供を取るか、自分の暮らしやすさを取るか。普通の人は自分を取るだろう。
下記理由により、景気回復による給与増大は見込めないと考えている。
今後は、少ない給与でどれだけの幸せを得るかについて考えるべきである。
自分で副業でもしない限り、給与が自然に増えるなんてことは、あり得ないからだ。
ところで、日本は労働者があふれていると言うが、それは働く場所がないからに他ならない。
つまり、新しく会社を興そうとか、そういう人が減っているのではないかと思う。
1つの有名で大きい会社に大量の人が集まるという社会的な体質のせいで、その会社がチョロッと対策するだけで、大量の失業者が生まれてしまうだけに思える。
なお経営者は、会社を潰さない事が至上義務である。
潰さないためには労働者のコントロールが必要であり、労働者の幸せのために経営者が居るわけではない事を、労働者は肝に銘じなければならない。経営者は、会社の存続と消費者の幸せのためにいる。労働者の給与を上げたせいで会社が傾くような経営者は、能無しで、株式会社であれば株価は大暴落、不信任沙汰である。
私は、日本人の給与は、このまま下がり続けると思っている。
だんだん給与が下がり、物価が下がり、また給与が下がりのデフレスパイラルが続く。
そして、今日本が利用している人件費の安い国(中国や東南アジア)の物価と同じになった時、労働力が国内でも必要になって、失業者が減る。
その代わり、中国や東南アジアの国々に、日本の土地や企業がどんどん買われ、日本が中国になってしまうかもしれない。(その前に、欧州やアメリカの誰かが買うだろうが)
ちなみに、日本の国内で物価が下がったとしても、貨幣の価値としての円が安くなるわけではない。
為替は物価とは別の要素で動いているため、例え人件費と物価が中国農村部並みになったとしても、元より円の方が必ずしも安くなるわけではないので、そこはまた予想しづらい点である。
例えば、アメリカではハンバーガー100円、日本国内では50円で買えるとしても、1ドル50円の為替になるわけではない。1ドル80円をキープしたまま、そのような状態になる可能性もある。これは外貨がインフレ、国内ではデフレ、という感じだ。