しかも4時間サビ残した。
サビ残というと聞こえが悪いが、法律上やむを得ないこともあるので仕方がない。
金銭的ではないが、重大な見返りもある。
仕事は一人でするものではないから、それは大きいものだ。
正社員であれば当たり前であるサビ残も、対象が派遣の俺であれば見方が違う。
何故なら俺は派遣元の会社の社員なので、派遣元の会社の協定に沿って仕事をするからだ。
派遣先に融通は利かせるが、全てを了承は出来ない。してはいけない。それがサービス業である。
そういう前提条件の理解があるからこそ、派遣社員をサビ残させることは重大な過失なのだ。
もし俺が、休日出勤の上サビ残なんて協定違反なのでだめですと突っぱねたとしよう。
だが万一問題が発生して、リリースにしくじったとしても、俺は何の痛手もないだろう。
今の客先には居られなくなるかもしれないが、それだけだ。
失業はしないし、今よりも高いレートの派遣先に行けるしれない。(レートは運だから)
おまけに沢山の派遣先を経験していると練度が高いと言うことで優遇される。
しかし、精度の高い製品リリースという共通の敵を持つことには、派遣と正社員に変わりはない。
この状況でものを言うのは当事者意識である。
当事者意識とは、それを自分自身の問題だととらえる事である。
ある問題を、自分が少なからず是正できたかもしれないにも関わらず上司や店長のせいにする人は当事者意識が無いと言える。
アルバイトや派遣社員、契約社員、または新人さんは当事者意識が薄い事が多い。
これは、基本的に上からの指示以外の事をすることができないからである。
例えば外に出て、自分からお客さんに仕事もらってきて、自分がリーダーになってプロジェクトを進めてお金をもらうような事は、正社員がすることである。だが当事者意識のある人ならば、正社員でなくてもこの仕事をする。そして正社員以上のお金を貰うことも多い。
当事者意識があることを相手に伝えるためには、態度で示すのが一番いいと思う。
つまり、上にバレたら絶対にヤバいサビ残はそういう見返りがあってするのだ。
とか考えて仕事をしている人はかなり偏った人だと思う。
俺? 俺はプログラミングが好きだからできるだけやりたいんだよ。
べつに金が欲しいから仕事してる訳じゃない。車を維持できて生活できる分もらえればいい。
なによりもスキルのために。
ごめん うそ。
ああ…それにしても金が欲しい…!
まで読んだ
金より妹が欲しい。