自分の仕事が確実に終わる時間を知りえたい。
終わるじゃない、終わらせるんだ。でも先がまったく見えないことはよくある。
大学の頃、教授たちの集まりに参加したことがある。
大それたものではなく、とある大学の一室でビールを飲んだだけだが。
A吹という助教授がいる。私の学部で一番権力を持つ、民間上がりの先生である。
当時は新札が出回り始めた頃。彼は、新札をいち早くゲットしたので皆に見せた。
「カラフルですねー」
「ずいぶん印象が今までと違いますね」
その時、ある日本のロボット工学の権威であるM田という教授がこう言った
「お金って今のコピー機で印刷できないらしいですよ」
全員の目が 光った。
「やってみよう」
うぃーんガシャ うぃーんガシャ
大学にあるありとあらゆるコピー機が試された。
どれも1年以内にリプレイスされた新型コピー機(というかオフィスプリンタ)である。写真も美しくカラーコピーできる。
結果は、紙が真っ黒になってしまった。お札の部分だけが真っ黒になるのではなく、紙全体が真っ黒になったのだ。これは偽造防止機能だと思われる。
他のコピー機も同じであった。
「すごーい」
教授たちは楽しんでいた。