先月のインフル休暇中に奥歯(の後ろ)が欠けるという恐ろしい事件が起きた。
欠けた部分は実は歯ではないかもしれない。昔の詰め物であり、経年劣化で天寿を全うしたのかもしれない。しかし私にとって歯は歯である。メガネは顔の一部です。それは初め、東尋坊の断崖の岩が縦にさけて崩れ落ちるように、ボロリと割ける様な欠け方をした。そして徐々に歯間の違和感としてあらわれ、何かが詰まったような感覚をおぼえた。そこで糸ようじを使ったところ、事もあろうか砂粒のように、劣化したコンクリのように、しゃりしゃりと砕けていくではないか。この時の気持ち悪さたるや、とても言葉で形容できるものではない。口の中に残ったのは、シャリシャリと、歯から溶け出した「苦み」だった。