デフォルト値は怠惰の値

アメリカ連邦政府予算の成立が止まっており
このまま停滞が続くと、早ければ10月末にはデフォルトの危機と予想されている。

その影響についての話題は別の機会にするとして、
日本の若い人は「デフォルト」と聞くと
まさか金融用語だとは思わないだろうし、
パソコンを思い浮かべてしまうかもしれない。

デフォルト(default)
怠慢・過失・債務不履行

デフォルトとは債務不履行の事、つまり不渡り、国の破産を意味する。
しかし、デフォルト自体は今までも多くの発展途上国で行われてきた。
経済が不安定で、貨幣価値の変動が激しい途上国では珍しい事ではない。
(国際的な影響が大きい場合は、IMFが介入する)
むしろ700兆円の負債を抱えながらも、貨幣価値はユーロやドルに台頭し
特に行う必要が無い状況が続く日本が異常なのかもしれない。

コンピュータ用語で、初期設定値の事をデフォルト値というが
デフォルトの本来の意味は「怠る」である。
普通は先の話題のように金融用語として使われることが多い。

なぜ「初期設定値」が「怠る」なのかというと、
プログラムが動くために10の設定が必要なのに
設定を怠り、3の設定しかしなくても其れなりに動くよう、
あらかじめ汎用的な設定値を用意することにしたからである。
結果的に初期値として存在するため、
日本では「デフォルト値」は「初期値」という意味に転化した。

もっと言うと、「プロパティ」も
どこか違う意味で使われている。
本来の意味は、財産・所有権、転じて物事の性質・属性の事であり、
「設定画面」や「設定ツール」という意味ではなかったが
今日ではそういった意味で使われることが多い。
「プロパティを設定する画面を開く」なんて言わないからね。