献血

先日、免許の更新に埼玉の免許センターに行った。
免許証が新型のICカード、硬くて厚いプラスチックになった。
自宅のPaSoRiで情報の読み取りが可能らしい。
表面の「本籍」は欄ごと無くなっており、空間がぽっかり開いている。
裏面はドナーカードになっており、意思表示できるようになった。

免許センターには献血ルームが併設されていた。
優良運転者講習と免許証の受け取りを終え、その前を通った際
ふと、「ああ、していくか」と思いルームに入った。
優良講習は30分とはいえ、手続きを入れると2時間程度はかかる。
13時につけば15時になっている。家に着く頃は日が暮れている。
献血もついでにしてから帰ったほうが有意義な気がした。

毎年1?2回は400mL献血しているんだけど
最近トシのせいか…
ベッドから降りてロビーに移動するときに
貧血が起きるようになってしまった。
ゾーッとして視界が狭くなりバランス感覚が狂う、アレだ。

献血ルームでは、華奢な女がぶっ倒れたり、吐いたりと
慣れない事象に遭遇することがある。
血を抜いているんだから仕方の無いことなのだけれど
自分自身がそれになりたくはない。

最近一番ひどかったのは、献血後に乗った特急の座席で
ビールを飲んでしまったばかりに貧血になったときだ。
座ったまま貧血になると、症状がゆっくり進行する。
その場で通路にしゃがみこめばよかったのに、
限界まで我慢してからデッキまで歩いて移動したのだ。
当然、派手に転んだ。

しかし今日は車を運転しており酒は飲まない。
あれから何度か献血しているが再発していない。
医者も「酒のんだら貧血起こすかもな!ガッハッハ」というわけで
気をつければ問題ないことなんだろう。

まず初めに受付を済ませ、簡単なチェックリストを「いいえ」で埋める。
「今回の献血は、エイズ検査が目的ですか?」とか聞かれる。
昔は鉛筆を使ったが、今はタッチパネルの端末で印刷するようになった。
その際、何らかの飲み物を渡されて「必ず先に飲め」と注意深く言われる。
今回はアクエリアスの300gハンディパックだった。
ちゅるちゅると吸いながら呼ばれるのを待つ簡単なお仕事です。

次に、血圧の測定と血液検査を行う。
右と左の腕を出して、血管が大きく浮いている方が献血で吸われる。
献血で吸われる腕は、紙テープで手首に輪を付けられる。
血液検査はもう片方の腕にブスっと刺して簡易検査を行う。
ここで、ヘモグロビン濃度などを調べ献血可否判定の数値データを出す。

次に、医者による問診がある。
本人の体調と血液検査の結果から、献血の許可をもらう。
「きみ不整脈だね」「はい」
「献血13回もやってるし、まあ平気でしょ」「はい」

献血ベッドに仰向けで寝そべると、テレビがあったりする。
今回は放送大学で画像処理の膨張縮小演算を見ることにした。
画像処理の基礎で、エッジを浮かせたりノイズを減らすために使う。
血を抜きながら何を見ているんだろう。

さて、腕の消毒が終わると、「いきますよぉ」と言われながら
一番でかい18ゲージ(直径1ミリ)の注射針をぶっ刺される。ありえん。
その先は採血バッグにつながっており、パイプもバッグも半透明なので
どば?と血が通って溜まっていくのが分かる。

採血を早めるため、バッグは採血装置に入れられる。
この中でバッグは振られながら、負圧をかけられ「血を吸わせる」。
ウィンウィンと振られ、シューコン、シューコンと音を聞きながら
5分から10分ほどで終わる。
終わると、採血後の血圧を手首で測る。問題なければ終わりだ。
針の刺し痕には止血バンドが巻かれる。

ルームが混んでなければ、この段階でバッグを触らせてもらえる。
(もちろん、触ってもいいですかとお願いする必要がある)
バッグは今時分の中にあった血液が入っているので非常に温かい。
これを触るのは、命というものについて考えるいい機会かもしれない。
看護師も、いつも触れているとはいえ日頃命を扱っているプロである。
興味を持ってもらえるのが嬉しいと感じる人なら、喜んで応えてくれる。

さて、ロビーに戻り、また呼ばれるのを待つ。
待つ間、いつもロビーの無料自販機でココアを飲んでお菓子をつまむ。
5分ほどすると、名前を呼ばれて献血カードと粗品を渡される。
今回はけんけつちゃんのウェットティッシュと、アイスクリームを貰った。
アイスクリームは初めてもらったなあ。

今回、年間献血量の上限1200mLに達してしまったので、
次回の献血は2回前の1年後である5月になってしまった。
それまでは成分献血でもするか。

なぜ献血ルームに通うのか。
けんけつちゃんが、カワイイからに決まっている。
アキバのご当地けんけつちゃんはどうかと思うが。