26日の朝9時、事前の話どおりダスキンから電話がかかってきた。
今からいらっしゃるとのこと。
抗菌コーティングをやるかやらないか、私が迷っていたので
この時に再度どうするか聞かれた。気配りを感じる。
来て頂けるのはありがたいのだが、私の部屋は何しろモノが多く
家具の配置もゆとりが無いためエアコンの前を空ける事が出来ない。
具体的には、エアコンの前にベッドが横向きに置いてある。
部屋に散らかったものは片づけてあるものの、
このデカブツだけはどうにもならんかった。
結果的には、ベッドの上に脚立を立てて作業していただいた。
(所謂スノコベッドなので、布団を取り外せば板の上に乗れた)
まず、家に上がる際、白いスリッパを持参して履いていた。
ダスキンのサービスマンはいつもこうである。
客の家に上がる際に床を汚さない為の気配りであるが、
私からしてみれば
純白のスリッパが我が家の床で汚れてしまわないか心配なのであった。
(ただ、脚立に乗って作業するときは危ないので靴下だった)
作業するスペースを作ったら、幅1メートルほどのビニールのロールで
周辺を養生し始めた。エアコンから2.5m四方くらいは養生してくれた。
すぐ近くの大型テレビもしっかり養生してくれたので安心だった。
次に、エアコン本体の養生が始まった。
うちのエアコンはダイキン製だが、少し前までクリーニングを断っていたそうだ。
家庭用の壁掛け式ダイキンエアコンは下カバーを完全に分解できない為
他社製品と同程度の養生では、内部に水が溜まってしまうことがあり
時々故障することがあったそうだ。
というわけで、ビニールとテープで3重4重の養生をしていた。
では一番養生が楽で分解しやすい家庭用壁掛けエアコンは何か?というと、
三菱の霧ヶ峰だそうだ。
内部構造が単純で分解しやすい機種は、メンテも楽なので長く使えるという。
そういえば、うちのエアコンに「自動お掃除機能」は無い。
この機能、高級機種の目玉機能として最近もてはやされているが
実は、ホコリフィルタ以外はお掃除できない。
具体的には、シーズンごとに洗うことが推奨されているフィルタに対して
ローラーでホコリをからめ取るだけの機能である。
つまり、内部に侵入した微細なホコリや、今回問題のカビに対しては無力だ。
おまけに、クリーニングにとってはリスク以外の何物でもないそうで
この機能があると、クリーニングの時間も価格も通常の二倍になる。
ホコリフィルタは、取り外して裏からシャワーすれば一気に洗い終わる。
10秒あれば2枚くらい洗える手軽さなので、頻繁に掃除した方が良い。
完全に乾かさなくても、水気を適度に拭き取ればすぐに使える。
養生が終わると、お待ちかねの洗浄である。
洗浄用の電動ポンプを床に置き、風呂場で水を汲んで、タンクに注ぐ。
最初に、フィンとシロッコファンに洗剤をチュルチュルとかけ始めた。
まんべんなくかけているが、ただそれだけで黒い個体が入り混じった汚水が
どろどろ、ぼろぼろと、吹き出し口から流れ出してきた。
どうやらこの洗剤は超強力なアルカリ性らしい。汚れの溶け方が凄い。
ところでエアコン内部はアルミでできている。
普通、アルカリ洗剤はアルミを溶かすので使えない。
だから、ダスキンは世界で唯一の
「アルミを溶かさないアルカリ性洗剤」を使うのだそうだ。(そんなのあるん?)
この洗剤を汚れに染み込ませた後、水の高圧洗浄がはじまった。
ポンプのスイッチには、すすぎ・リンスと書いてある。
なるほど。つまり2液式の洗剤なのだった。
強力な洗剤が残留すると対象を傷めたり、毒性があったり危険なので
リンスで中和しながらすすぐのだ。
やっぱり自力でやるには荷が重い作業だった。業者に頼んでよかった。
この高圧洗浄、ケルヒャーみたいに面で一気にズバッとやるのかと思いきや
ノズルの先端から出てきたのは一本の細いビーム状の連続流水だった。
サービスマンはこれをちょこまかと動かして、隅々まで綺麗にしてくれた。
先に上部のアルミフィンを上から奥までジョバジョバと洗い、
次にシロッコファンと吹き出し口をしっかり洗ってくれた。
シロッコファンの汚水はひどいものだった。
殆どのカビはここにいたのだ。
家電メーカには素人にも洗いやすい機種を作ってほしいものだ。
すすぎ終わると、最初にはずしたカバー類やフィルタを風呂場に運び、
「お風呂場お借りします」といって、手で洗っていただいた。
エアコンの内外を全部洗ってくれるのだ。ありがたいことだ。
その後、エアコン本体のフィンに「抗菌コーティング」をスプレーし始めた。
ピンク色の薬液が霧吹きに入っており、まんべんなく吹き付けていく。
エアコンはどのみち、カビるのだ。それを少しばかり遅らせてくれるだろう。
最後に全て組み立てて、電源を入れて送風運転で動作確認した。
万事完了である。
豆知識を頂いた
エアコンは冷房を使えばカビるが、出来るだけ抑える方法がある。
内部の水気をできるだけ飛ばすために、送風運転を30分?60分行うことだそうだ。
お出かけ前なら、切タイマーで仕掛ければ簡単だ。