皆既月食

夕べは皆既月食を見ましたか?

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皆既月食は皆既日食より頻度が少ないのですが
ひとたび起きれば観測可能な地域が非常に広いのが特徴です。
地球の影に入る月を見るので、影側からなら確実に観測できます。
(地球の夜の地域で月が見えれば観測可能ということですね)

ただ、今回の皆既月食は日本ではちょっとレアです。
ちょうど日本やオーストラリアの経度付近で月が南中するため
始めから終わりまで全過程を観測できる好条件での皆既月食となりました。
(そうでない場合、夜になって月が現れた時には既に欠けているのです)

このようなことは、太陽と、地球と、月がまっすぐ揃った時、
日本やオーストラリアがその線上に居ないと起こりません。
この時、地球の裏側では太陽が南中して、昼食を堪能していたことでしょう。

ちなみに、北半球の日本から観測すると、月は地球の影の下半分に隠れます。
 →ですので、日本から見た月の下側が明るくなりました。
 →オーストラリアから観測すると、月は地球の影の上半分に隠れます。

皆既月食中の月が赤く見える理由ですが
これは地球の朝や夕の地域の大気を通り抜けた赤い光が
月に当たっているからです。

地球の大気は、赤い波長の光を通し、青い波長は減衰する特徴があります。
朝や夕の太陽光は、大気を斜めに通りぬけます。
通り抜ける大気がとても多く、青い光が減衰し、赤い光だけ残ります。
これが朝焼けや、夕焼けになります。

月が赤く見える条件はもう一つあります。
地平線に近い、低い位置に月がある時に赤く暗く見えますが
これは月の光が地球の大気を斜めに通り抜けるからですね。

地球上において大気というやつは、光と密接に関わっており
建物の陰など、太陽光の陰になる場所でも、大気による光の拡散で完全な暗黒にはなりません。
大気の殆ど無い、月面上では、岩の陰は全く見えません。

次の皆既月食は2014年10月8日の17:00からです。(明るくて見にくいかも)
その前に、2012年5月2日は、日本の多くで金環日食が見れるため
またニュースになるはずですよ。(それほど暗くはなりません)