1998年にプレイステーションでゲームとして発売されたアニメがある。
ドラマをプレイする「やるドラ」シリーズの第一作目、
やるドラ第一弾の四季をテーマにした4部作のうち、夏の作品である。
作品名を、Double Cast(ダブルキャスト)という。
老若男女問わず人気のある、サスペンス系ストーリーで
10年以上経つ今でも定評のあるゲームだが
私はこれをゲームで終わらせておくのが非常に惜しいと感じている。
ProductionIGの作品ではあるものの、ジブリの若い新監督あたりから
オリジナルアニメーションとして映画化したら面白いのに。
そのくらい期待できる作品であると思っている。
やるドラは、アニメをプレーヤーが見て、選択肢でストーリーが分岐する。
分岐は「寄り道」とは程遠く、味方、悪役、といったキャスティングや
エンディングがまるっきり変わってしまうし、物語中の善悪すらひっくり返る。
オープニングが変わる場合もあり、完全な外伝ストーリーに突入する。
当然ながら、キャラの性格や生い立ち、背景、ヒロインも変わってしまう。
30種類程のエンディングと寄り道分岐を含めた全体の話を100%とすると、
1プレイでオープニングからエンディングまで見られるのは30%以下である。
まさにゲームにするために作られたアニメだが、
これを映画化すると「分岐」「マルチエンディング」をどう表現するかが問題となる。
SFをモチーフとした作品であれば、特殊能力で片付けられる話だ。
ループ世界、タイムリープ、世界線越え、夢でIF世界を見る、などなど。
そんな、サスペンスやSFに満ちた活劇をジブリの若い人が作ったらどうなるか。
淡い期待を抱いてしまう。
これこそ、夢物語だな。