最近、情報弱者、略して情弱という言葉が
当たり前のようにインターネット上で使われるようになりました。
得意げな顔して「情弱」と口にする若者やガキンチョ。
本当の情報弱者の意味、重さが分かっていないのです。
情報弱者、という言葉自体は目新しいものではなく
ブロードバンドが普及する前、10年以上前から存在します。
(ブロードバンドという言葉自体が既に古い言葉ですね)
その頃、インターネットというネットワークの存在は
世間に広く知られていましたが、生活の一部になるほどではなく
あくまで趣味のものでした。
「趣味は?」「インターネットです」
という、今では笑っちゃうような会話が成立した時代です。
今ほど簡単ではなく金もかかりますし、専門知識も必要だったから、
という理由もあったかも知れません。
ですので、一部の人が使えれば良いものであり、
知らないなら知らないで、生活も仕事もできました。
しかし時は過ぎ、ますます効率化が叫ばれるようになりました。
そして、生活や仕事をする為に必要な分野にまでIT化が進むようになります。
インターネットを使う事が前提の社会になっていきます。
すると、今までインターネットに触れた事が無い人、
「そんなの趣味のものでしょ?」と思っていた人にまで
強制的に使用させる必要が生まれてしまうのです。
こういった人が、情報弱者なのです。
今後は情報弱者も生きていく事が出来る社会にしていく事が重要です。
これを読んでいるあなたが、今は情報強者であったとしても
60年後、あなたに使いこなせない概念や機器が登場し、社会を席巻し、
「それを使えなければ損をするが、使えない人が悪いのだ」
と言われたら、今までのままで良い!なんで変えるんだ!と思う事でしょう。
でも、時代の流れなので仕方ありません。
時代の流れというのは、ある人が今までの人生で培ってきたものを
一瞬で無意味にすることもあります。家族、生活、職を失う事もあります。
時代の流れには柔軟に対応していくという意識は全ての人に必要です。
(往々にして時代の流れを作るの経済の都合であり、
当然ながら、犠牲者は経済的な損失を被ります)
ちなみに「使える人」「使えない人」では様々な格差が生まれます。
これを情報格差(デジタルディバイド)と言います。
例を挙げます。
・詐欺にあいやすい/デマに踊らされやすい
(インターネットの情報に踊らされる弱者もいます)
・インターネット以外の手段を希望すると手数料が非常に多くかかる
・法律や行政のサービスを受けられない。結果、損をする
(社会通念上、「知らない」は使用者の責任放棄なので、悪です)
・同様に金融サービスを受けられない
・同様に医療サービスを受けられない
・通信手段に制約がある