3Dシネマの仕組みとドラえもん

最近規模が拡大してきている3Dシネマであるが
2010年現在では2種類の方式が主流である。

■REAL D方式
■ドルビー3D方式

どちらも、ディストリフォーマットという
「配給方式」の違いであることに注意して欲しい。
例えば、同じ映画でもVHSやDVD、Blu-rayなど
色々なメディア(方式)で売られるのとおなじだ。

2つの方式の共通の特徴は以下の通り。
・メガネを使う
・左右の映像から劣化無いカラーを視認できる
・高速なDLPプロジェクタで投影する
・見る姿勢やメガネの角度で立体効果は変わらない

REAL D方式は、円状偏光を用いて左右の映像を合成し
メガネで左右の映像を偏光ごとに遮断、分離する。
垂直偏光ではないのでメガネや首の角度に関係なく立体感がある。
ただの偏光による方式なので、メガネが安く作れる。
ただし偏光を用いるため、映像の輝度が落ちる。
メガネはもらえる事が多い。

ドルビー3D方式は、偏光を用いないため、映像が美しい。
左右の映像は、RGBスペクトルで分離、合成する。
従ってメガネでスペクトルフィルタを行うので
レンズのコーティングが非常に高価となる。1つ10万円とか。
観賞後、メガネは回収される。

個人的な方式の見分け方だが、
メガネのレンズを見て左右で色が違うのはドルビー3Dである。

余談だが、3Dの映画は大昔からあった。
アナグラフといって、赤と青のフィルムのメガネで分離する方式だ。
私は3歳か4歳の頃、アナグラフ方式の映画を見た事がある。
たしか、「ドラえもん のび太と鉄人兵団」の同時上映作品で
藤子F不二雄のキャラクターが沢山登場していた。

話がそれるが、「鉄人兵団」は、
劇場ドラえもん作品群の中でも特に思い入れがある。

劇場版ドラえもんのストーリーは
誰かを手助けして世界を救うという話なのだが、
この作品だけは自分たちしか敵と戦わない。

さらに敵の少女とのび太が私的に仲良くなったり、
大けがをした少女に銃を向ける、
巨大な戦闘ロボットまで登場する、
「ニンゲン」とは何なのかを考えさせるなど、
まるでセカイ系の様相を呈している。

あと藤子F不二雄のSF作品に見られる、ダークな面が目立つ。
敵の地球侵略の手法がやたら現実的なのである。
人が家畜に対して当たり前のように考えている事を
逆の立場になったらどれほど恐ろしいものであるか、
自分達の信じている教えがどれだけ正しい事なのであるか。
テーマが非常に重く、むしろ子供には難しい程である。

余談であるが、のび太が組み立てて戦うロボット「ザンダクロス」は
ガンダムの「百式」がモデルであるため、よく似ている。

2件のコメント

  1. 俺のようなおっさん世代は、3D映画は「ジョーズ3」が印象に残っています。