本気布団の選び方2

昨日に引き続き、布団の選び方を聞きました。掛け布団編。

・じゃあ掛け布団は何が良いの?
掛け布団もピンキリですが、結局は羽毛布団が良いです。
動物性繊維のメリットは上記に述べましたが、メンテナンスを5年に一度すれば数十年は使えます。また、とにかく温度が一定に保たれ、軽く、1枚あれば他に布団がいらない点も魅力です。価格は8万円以上ならキチンと羽毛と言える高級品です。

ところで、羽毛(うもう)布団と羽根(はね)布団の違いってわかりますか?
悪徳商法でよくやる事で、羽根布団を羽毛と称して売っている事がまま見られるようです。
羽毛布団は、いわゆる耳かきの梵天(ぼんてん)が詰まってます。詰め物用語では「ダウン」とか「フェザー」と呼ばれているフワフワです。
羽根布団は、羽根ペンや緑の羽根募金とかの羽が詰まっています。羽根は沢山採れるため安いのですが、筋が入っているため、チクチクしますし、ガワを突き破って外に飛び出してきます。また、筋は鳥の放熱を担うので、放熱性が高くなってしまいます。致命的な特徴ですが、布団圧縮袋に入れると筋が折れて潰れます。(この点はぶっちゃけ、ウールや木綿の方がいいです)

なお、羽根布団は、「絞る」と中身が折れてダメになります。お店で胡散臭い羽毛布団を見つけたら、とにかく絞ってみてください。もとに戻らなければ詐欺です。(これをやらないと、店員すら知らなかったということもあるそうですよ)
ガワを突き破るのも悪い特徴で、ダウンジャケットでも安いものはどんどん羽根が飛び出してきますね。布団でこれが起きたら大クレームものですが、「羽根布団」では普通の現象なのでユーザ責任となります。

・羽毛は何がいいの?
羽毛布団は日本人に知識が無いため、詐欺が横行しました。
日本に羽毛布団がやってきたのは、今から40年くらい前です。
40年前の羽毛は輸入品しか存在せず、品質の良いものしかありませんでしたが、日本の布団メーカがチャイナダックに目をつけて、台湾や中国からアヒルの毛を集めて羽毛布団を安く売り出しました。これが今日の安価な羽毛布団です。

何しろ「ダウン」「フェザー」は稀少価値のある胸の毛ですから高価になりやすいのですが、卵を温める毛なので、体に吸い付くとか、色々書ききれない特徴に溢れています。

ウールと同じように、羽毛にも等級があります。

悪くて安い
↑台湾ダック→羽毛である意味がありません
 台湾グース→日本でしか売っていません
 東欧ダック→これ以上の品質が世界基準
↓東欧グース
良くて高い

グースは渡り鳥で、毛がハンパなく強いです。メンテナンス時の水洗いに耐え、長寿命です。東欧グースの中でも、寒いポーランドやハンガリーのマザーグースダウンは超特級扱いで、メンテナンスすれば本当に何十年も使えます。
安いチャイナダックの問題点は、毛がとにかく安く(現地では食品のゴミですから)洗浄が疎かで血液や肉片が残っていて、布団にした後で虫食いが起きたり、そもそも毛の性能が悪すぎることに尽きます。台湾のように暖かい地域の鶏の毛が暖かいわけがないということですね。

先にも書きましたが、安い素材にも関わらず高い羽毛布団として売る詐欺が横行したため、JISのような第三者機関である「日本羽毛製造業組合」というのが設立され、品質検査や格付けを行うようになりました。
ここが発行している羽毛品質が「エクセルゴールド」以上であれば、恥ずかしくない本質の羽毛布団です。でもできれば、「ロイヤルゴールド」の格付けがなされた布団がベスト。更に縫製が日本製であれば、極上品と言えます

布団屋に聞いた本気の選び方でした。

で、布団を買ったら、35万円になりました。すっげーいい布団。高すぎてまるで詐欺みたいです。
深入りしすぎた結果、こんなことになってしまいました。これは懺悔です。お父さん、お母さん、ごめんなさい。。
クーリングオフします。