何で一眼レフなの?コンパクトじゃダメなの?
と聞かれた時に、どう答えたら良いのか。
技術的な話を含め、コンパクトには特徴が沢山ある。
・安い
・軽くて機動力がある
・レンズ径が元々小さく、無限遠近くに絞られるため失敗が少ない
・最近のデジカメは感度1万超え、1200万画素超えで一眼レフと変わらない
・贅沢な光学系を持つ機種なら、慣れで色々な効果も駆使できる
・笑顔検出とか、おもしろ機能が満載
・撮影対象に威圧感を与えない
でもこんな話をしても理解されない。
要点は、一眼レフだからって写真が良くなるわけでは無いこと。
コンパクトカメラであれば明らかな失敗写真はまず無いし、
暗がりなどのカメラに苦手な条件でも、シャッターを押すだけで綺麗に撮る事が出来る。
ただし、失敗写真のリスクを背負うと、撮影時の設定に自由さが手に入る。
オートマ車には無い運転の楽しさが、マニュアル車にはあるように。
また、ユーザによってカメラに求める事が違うことに気付く。
・効果や構図を凝って、かっこいい写真を撮りたい。(結果が大切型)
・とにかく写真を撮影するのが好き。(手段が目的型)
この2種類に属する人が凝りだすと、
色々自動化され、決まったレンズしか使えないコンパクトでは満足できなくなる。
レンズ交換が出来るカメラを買う事になり、一眼レフを買う。
一眼レフの利点は、この程度の事。
・カメラを持っているという満足感に浸れる。
・撮影時の設定を好きにいじれる
・レンズ交換できる
・ファインダーを覗くことができ、しかも視差がない。
・シャッター/ミラーアップ音が本物
・レンズもセンサも大型で重く、サイズによる性能のトレードオフがコンパクトに比べて少ない
一眼レフでの撮影時の設定は、感度 絞り シャッター速度 ピントを確認しないと失敗する。
しかし面倒なので、感度はノイズが出ない程度に上げて固定しておき、
被写体によって絞りを変えて、シャッター速度で露出を調整する。
カメラ本体のグレードが高いと設定範囲が広くなるが構造は基本的に全部同じ。
何故、被写体によって絞りを変えるのかと言うと、
被写界深度を変えないと、意に反してボケるから。
これは一眼レフを使い始める時の登竜門かもしれない。
(今、僕は滝をを登ってる最中)
例えば、景色の撮影なら全体をクッキリ写したいのでF9.0以上まで上げる。
人間を数人同時に撮る時はF5.6以上にしないと、立ち位置程度の差でピンボケ。
マクロ撮影や一人ポートレートで、とにかく周りをボカしたい時は開放を使う。
プログラムAEモードで撮影すると、カメラに内蔵された露出計により適正露出になる様に絞りとシャッター速度が設定される。シャッターボタンを半押しする度に、出来るだけシャッター速度が速くなる様に再設定されてしまうので、撮影対象が決まってる時は絞り優先モードにした方が楽になる。絞り優先モードでは、絞り値を固定させたままにできる。
絞りとシャッター速度の連動は、露出補正(EV)という値で変化させる。
オーバーにすると、シャッター速度が遅くなる。
アンダーにすると、シャッター速度が速くなる。
話がずれるが、動きのある物をワザと滑らかに写したい時がある。
例えば、夜の国道の車のライト。それに沢や渓流の水。水が白く流れている様に見せるには、シャッター速度を遅くする。しかし、明るい昼間は露出オーバーしないようにに光量を落としたい。光量調整に絞りを使うと、今度はボケが使えなくなってしまう。そこでレンズの前にサングラスのようなNDフィルターというものを装着する。こういう時は、シャッター速度優先モードが使い易い。
とまあ、こういった話を楽しそうに語る人は一眼レフを買う。
でも、最近はこういったマニュアル設定ができるコンパクト一眼も沢山存在する。
カメラの楽しさと、性能、携帯性を両立させるには、とても良い製品だと思う。
ケータイや「写るんです」から写真の世界に入った人は、最初に買って良いかもしれない。