周りの人が使っている物と同じ物を選ぶ習性。
多くの消費者に商品を理解して選ぶ能力は無く、
「たくさんの人が使っているなら安心だろう」
という、事実無根で正当性を欠く理由にすがっている。
ブリヂストンのブリザックという
スタッドレスタイヤのブランドがある。
これは本当に売れていて、2台に1台以上は
ブリザックを履いているのだ。(シェア56%)
だが、スタッドレスは世界中のタイヤメーカが
試行錯誤して様々な種類を売り出している。
ブリザックが特に安いわけでも、性能が特に高いわけでもない。
(もちろん悪くはない。もっと悪い物の方が多いはずだ)
ブリザックは氷上の水分を吸収しグリップを得るコンセプトだが
他社もそれに追従して同じコンセプトと似た製法になっている。
水分を吸収する手段も多種多様だが、コンセプトは同じだ。
しかしながら、結局ブリザックのシェアは非常に高い。
商品を選ぶという事は、その商品についての膨大な知識が必要だ。
比較対象の知識も必要で、何が良くて何が悪いかを想像できる必要がある。
こういう状況から考えられる事としては
その商品は必要でも、知識は必要ない状況の方が多い事を
示しているのではないだろうか。
つまり、『そのカテゴリの商品を所持する』必要という状況だ。
結局なんでもいいのだ。
ここで、2台に1台以上という異常なシェアになる理由を考える。
最初の理由がまず思い当たる。
-周りの人が使っている物と同じ物を選ぶ習性
一定の割合にシェアが達すると、爆発的に増え始め
しかもそれが持続してしまうというものだ。
地球温暖化のような話だ。
しかし、その一定の割合に達するだけでも難しいはずだ。
それはブリヂストンというブランドのおかげなのかもしれないが。
多くの人に「悪くない」と言われる商品であることは間違いない。
シェアは信用の証、とメーカは言うが、そんなわけは無い。
実際に信用たる情報は、知人友人家族の口コミだ。
つまり、例え突出した特徴、性能、機能、価格がなくても、
出来るだけ多くの人に「悪くない」と言われる商品であることが
シェアを伸ばす秘訣なのだと分かる。