製品を作る仕事は、設計者が設計するのだが
仕様は常に変更の危機にさらされる。
普通、仕様が決まらないと設計はできない。
だが、その設計後に以前とは間逆な仕様が決定することもある。
そうなると、多数の矛盾が生じて設計しなおしすることになるのだ。
この突然の仕様変更は、たいてい販売(営業)側の戦略によるもの。
たとえば、
この機能はもっと前面に押し出さないとライバル会社に負けるから とか
この機能つけないとライバル会社に客を取られるから とか。
本来、通常の思考では矛盾してできないはずのことが、できたほうがよいこともある。
車で言えば、アクセルとブレーキを同時に踏むような操作だ。
これは設計者としては絶対してほしくは無いのだが
客はそれをしたがる場合もある。そして仕様は変更される。
こういうものを作っているとき、それは自分の手を離れ遠い物に感じてくる。
さらにリリース日の2日前とかに仕様変更がきたりする。
だが、それでもクオリティをおとせない。信頼だから。
クオリティを落とさないために、無理なことは無理といわなければならない。
そのために納期が遅れ、多数の関連製品、数百人のスケジュールを遅らせても。
「技術者なんて代わりはいるのよ!」と、客や会社は思っていても
「使える技術者なんてそういないし、労働力も足りない」のが現場。
だから信頼を落とせばクビor仕事をもらえない。現場はさらにきつくなるだけ。
下流の仕事は結果に直結することを忘れてはならない。