小学1年生の時、漢字を習い始めた。
それまで書ける漢字は自分の名前だけだった。
まず数の漢字を習った気がする。イーリャンサンスー。
それから画数の少ない象形文字。木とか川だな。
漢字は中国の文字だ。ある日突然気付いた。
…漢字を学ぶことは中国語を学ぶってことじゃないか?
衝撃だった。
あまりの嬉しさで、母に言ってみた。
「漢字覚えれば読み書きで中国人と話できるかな」
「なんとなくならできるんじゃない?」
「え?なんとなくなの?なんで?中国の文字じゃん」
「日本の漢字は中国の漢字と違うのよ」
「はぁ?じゃあ日本の漢字は偽者なの?」
「字の意味は同じだと思うけど中国と完全に同じじゃないわよ」
セカンドインパクトだった。
「俺は…本物ではない文字を習っているのか…教育って何だ…」
以後、漢字は読めても書けない脳みそになっていく。
漢字以外には学習意欲に燃えていた小学一年生だった。
※実際、中国の人とは漢字を使えば一応は意思疎通ができるみたい。
日本語は、漢字と平仮名と片仮名とアルファベットを混ぜて使う世界的に類の無い言語だ。
いつしか、日本語に横書きと言う概念が輸入された。
実は、漢字は横書きに弱い。
書いてみると分かるのだが、
漢字は上から下に向かって書くのに適したつくりになっている。書き順がそうでしょ。
だから横書きすると、筆を持ち上げる回数が増えるんだ。
まあ、これは慣れかもしれない。
それに横書きのメリットもある。
「一」「二」「三」をいい加減に縦書きすると、大変なことになるからだ。
一
一
一
一
何がなんだか分からない。三を3回縦書きしてみよう。
三
三
三
何かが高速で動いている気がする。
ω^)