社員と派遣

現代の勤労形態は非常に幅が広い。

正社員、派遣、請負、バイト

俺は会社員であるが、自社が派遣業務を専業としているので常に客先にいる。
正社員でありながら、自分の居場所は必ず別の会社(客先)であるという、奇妙な図だ。

しかしながら、その客先にずっといると、帰属意識が客先になるのだ。
自分の会社が疎遠になっていくのである。

更に困ったことに俺の場合は、客先の社員さんで同期の人に食い込んで混ざってしまった。
友人ほしかったからね。社員証のストラップの色の区別がなかったら、完全に判らないだろう。
休日とか週末とか一緒に遊ぶし、客先の社員寮とか知ってるし。
公に私は持ち込めないが、私に公は大きく関わるものだ。公私混同の難しさだ。
おかげで帰属意識が更にやばい。やばいんだけど、これでいい気がする。

なんというか、水と油の間に挟まってる気分である。

帰属意識自体を意識するのがよくないかもしれない。
仕事の円滑さには日常の人間関係が影響してしまうからだ。
そういう意味では、仲良くなったり馴れ合いするのは悪いことではないと思う。

しかし、あくまで俺はよそ者で、相手は客なのだ。
それを忘れてしまったら、お金をもらって派遣をしているものとして失格だ。
だから俺は馴れ合って良いのかと葛藤する。

ただひとつ救いなのは、
俺が他の客先に行っても、一緒に遊ぶことがあるだろう仲になれていること。
そういった関係は財産だからな。

今の客先はまったく殺伐としていない。時々談笑しながら仕事をするようなところだ。
30代半ばのMGが
「おいー!しっかりやってんの?おまえたち、ちゃんとやってよー!くびにすっぞー?」
とか歩き回りながら言うような職場なのだ。
だから派遣に対しての区別が小さく、ほとんどの仕事は社員とごちゃ混ぜなのである。
派遣がPLで社員がメンバということもあったようだ。(今は知らん)
無論、そういう状況を悪く思う社員もいるが、ほとんどの社員が「どうでもいい」と思っているようだ。
これは社風だ。とどのつまり、今の客先は家族的な空気のある社風なのだ。

俺は別の客先に異動になった時、この社風の違いに耐えられるのか、少し心配だ。