こんな夢を見た

こんな夢を見た。
テレビをつけると、ニュースが流れてきた。
「今夜、軍による新動力源飛行機実験が行われます。関係省庁からの書簡で『その飛行機は全部で3つです。どうかパニックに陥らないように。前もって情報を流す次第です』とのことです」
新動力源とはよくわからなかったが、今まで地球には無かった原子が使われているものらしい。

ふん、何で飛行機で驚くんだ?と軽く流しながら、昼過ぎの曇った空の下を友達の家に歩いていった。

その友達の家にはチャウチャウがいて、ポイとか言う名前だったりする。
「あたし、心が壊れちゃってるから…」
「確かにそうだな」
妙な話をしてた。

夕方、家に帰る前にほかの友達、数人も加わって飲み屋にでかけた。
その飲み屋は周りに家がなく、繁華街でもない。田舎のラーメン屋みたいな店だった。
ススキのたくさん生えた野原に囲まれている。

話もはずんで、酒もすすむ。
「っかぁ?!五臓六腑にしみるぜぇ」
「五臓六腑ってなに?」
「ははっ!○●ちゃん?。いいかい?五臓六腑というのは、五臓の心肝脾肺腎、そして六腑は大腸小腸胆胃三焦膀胱のことを指すんだ。つまり、体の全体っていう意味なんだぜ!」
(全員)「へぇへぇへぇへぇへぇへぇ」
「(‘A`)」

外で涼んでいた友達が、いきなり駆け込んできた。
「お、おい!UFOだ!!」
「あ”?」
みんなが急いで外に出ると、確かに何かが、雲のスキマから光っている。
直ぐに消えてしまった。
思ったより風が強い。
なんだ?今の…
「またきた!さっきのより大きい!ぅわ」
誰かが叫んだ。
即座に振り返ると、リング状の機体の所々が明るく光を放出している。まるで光で浮いているようだ。
しかもでかい。雲の上を飛んでいるくせに山一つ分くらいありそうな大きさである。
だが、リングと中心、自転車のスポークのような支柱でできている機体のために軽く見える。

風の音しかしない。月がたまに見える。

「え?今のが二つ目?じゃあもう一つくるでしょ。多分一番でかいやつじゃないか?」
また誰かが言っていた。

そして、ついにきた。
一番大きいらしいヤツが。
空を見上げると、その1/3を覆い尽くす全翼機である。四角い光が翼に並べられていた。
風が強くなる。ススキがうるさい。
きた方向の山から向かう先の山まで、見上げる空1秒ほどで通過してしまった。凄まじい速度だ。
低い地鳴りのような圧迫感のある音が少し聞こえた。

…人は、あんなものまで作れるようになってしまったのか…

家に帰り、テレビをつけると、先ほど見た機体の離陸映像が流れてきた。
一番大きかった機体は、宇宙の工場で作られたようだ。

そこには、なぜかポイがいた。
「すごいの見ちゃったネ」
「…」