家族モデルについて考える

男は家計を支え、女は家庭を支える。それぞれに集中することで効率化を図る。これが昭和型家族モデルである。ところが、男女雇用機会均等法の施行により女性の社会進出が通常となった今、男女は同じことを努力する価値観に変わってきている。※もちろん個々人の得手不得手は考慮されるべきという前提。

うちの基本的な考え方は、家庭も家計も夫婦で支える。である。
家庭的な男性はカッコいい、稼ぐ女性はカッコいい、という思想に基づく。夫婦は共働き。家事は分担でも手伝いでもなく、自分の家のことはどちらもできなければならない。…としていたはずだった。

これは考えとしては誰でも難なく理解できると思う。
しかし「できる」の定義は人によって大きく違う。家事とは、自分は当然だが家族のためにやること言う。自分の飯を作り自分の服を洗濯し自分の食器を洗うのは家事ではない。トイレで自分のケツを自分で拭くくらい当然のことである。よくある夫婦間の家事負担問題はまずここでつまづきやすい。独り暮らしの延長線で、できることをやればいい程度の考えでいると、2人が住む家の恒常性は保てない。2人とも働いているなら家事代行を使う手もあるが、それでは生活レベルが上がってしまい、夫婦の片方が使い物にならなくなったとき、たとえば病気で入院したり子供が生まれた時のことを考えると大変厳しくなる。従って自助努力でカバーできるよう、それなりの想定は必要となる。ここから経験を交えて男性の視点で書く。

このイマドキの家族モデルの弱点としては、家庭も家計もどっちつかずになりかねない点だ。「仕事」と「家事」を両立するため、一日の時間の使い方に構造改革が必要となった。

さて問題です。

あなたは原則1日8h働きます。通勤時間はドアtoドアで往復3hです。
睡眠に6h、朝食や夕飯に2h、風呂に1h充てることができます。
残りの何時間、家事に充てればよいでしょうか。
※ただし週に数回、2~4h程度の残業が発生するものとします。
※人事考課の評価項目に自己学習があるため、適宜時間をとること。

たどり着いた答えは、「家庭優先の状況なら容赦なく休む」だった。どうしようもなければ会社からhelpの電話がかかってくる。

男性は纏まった時間に集中するのが得意なうえ体力があるので、週末にまとめてやってしまうのも手だが、家族や自分の貴重な時間を食いつぶさないようにしたい。理想は日常的に無意識にやることなのだろう。

かつて、会社人は何よりも会社を優先する心構えが必要であると、散々刷り込まれた世代としては、これは大きなハードルとなる。会社内での自分の立場もあるし、職場でのキャラ作りや周囲の理解向上に努めなければならない。

男性、年配の多い職場なら、昭和型家族モデルを前提とした仕事のやり方が普通である。ここで条件が同じAさんはできるのに、なぜBさんはできないのかという見られ方をされると大変困る。家庭の形は様々で、条件は同じではない。もっともそんなこと周囲が知る必要はないが、多様性の時代、ハングリー精神の矛先については熟考する必要がある。

先日ニュースで見た面白い改革案として、週休3日制があった。1週間の半分を仕事、半分を家庭に充てられれば、昭和型の2人分の役割を1人でも時分割できるというもの。その分給与は減るが、2人とも働いているので問題はない。むしろ失業リスクを分散できる。

おまけ。最近「家事ハラ」という言葉があるが、あまり好きではない。痛いところを突かれてそれは家事ハラだ~と凹んだことはあるが、そんなの経験の浅さからくる下手くそが原因であるから下手くそなりに意地でもやり続ければいいと思う。