携帯の通話を、価格安く!

昨今の携帯電話料金は、通話料がバカ高く設定されている。
時代はデータ通信が主役。パケ代を安くする代わりなのだろう。
しかし、通話しないのであれば、もはや電話とは呼べない。
スマホの源流はPDA(いわゆる電子手帳)なのでそりゃそうかもしれないが
やはり通話は出来なくては困るし、絶対必要だ。

そこで、データ通信を使った通話、つまりIP電話が注目される。
IP電話は、品質はともかく、とにかく安いのが特徴である。
国内なら無料もしくは1分2円。海外にかけても国によるが1分5円など。
本当に採算が合うのか疑問に思うような金額である。
(昔プリカでイタリアに携帯to携帯でかけたら1200円で3分も話せなかった…)

ビジネス向けでは比較的早くよりIP電話が導入されはじめ、
電話交換機のPBXもIP化され、電話機はLANで電源供給され通信している。
家にあるような固定の一般電話向けでは、インターネットプロバイダから
IP電話が当たり前のように提供されており、長電話する年寄りには最適だ。
携帯電話向けにも、Skypeクレジットや050プラスなど、手段は揃っている。
しかしイマイチ使い勝手がよろしくない。

なぜか?

携帯電話の番号で発信者番号通知ができないからだ。
(できても050がついたり、ドコモだけ非通知になったりする)

携帯電話では、番号通知なし=不審電話と見なされ
相手に出てもらえず、運が良くてもお留守番サービスに直行だ。
最悪の場合、通知なし着拒されているかもしれない。
IP電話は格安でも不便であり、常用は無理なのである。

厳密にいえば、IP電話でも「発信者番号通知」はできる。
電話会社から050の番号を取得すれば、その番号で発信できる。
しかし、今持っている電話の番号を表示させることはできない。
050番号なんか要らないし、番号の管理費用が高額だったりするので
インターネットプロバイダから無料で番号をもらったり
NTTの「ひかりでんわ」の方が安く済むかもしれない。

この、発信者番号通知に利用者が任意の番号を載せられない理由だが
特に国際的な決まりがあるわけではないと思われる。
他国ではSkypeの発信者番号に自宅や携帯電話の番号を設定できる。
日本では、犯罪防止を盾に、法律(利権)があるのかもしれない。
正直分からんので、詳しい人教えて…

この問題に対し、格安で知られるLINE電話は、ある程度解決しており、
きちんと発信者の携帯電話番号で通知されるのだが、
ドコモにかけたときは、こともあろうか「非通知」になってしまう。
一番ユーザの多いドコモに対して使えない残念な状況になってしまっている。

そこで楽天があっと驚くアイデアで解を出したのが「楽天でんわ」だ。

これはマイラインの仕組みで、うまく上記の問題を解決している。
マイラインとは、電話自由化の法改正の際に作られた
通話する電話会社を任意に選択できるサービスである。
相手の番号の頭に、4桁の電話会社番号をつけることで利用できる。
例えば家の電話からKDDI回線で通話する場合は、頭に0077を付ける。
後日KDDIから使った分だけ請求されるようになっている。
相手には、番号が通知され、KDDIを経由したことはわからない。
毎回4桁の番号を付けるのが面倒くさい時は、マイラインプラスを利用する。

楽天でんわは、この仕組みを携帯電話向けにしたものだ。
マイラインでフュージョンの回線を利用、通話料は通常の半額。
スマホなら利用手順も簡単で、楽天でんわアプリから発信すればよい。
アプリが相手の番号の頭に「0037」を付加してかけてくれる。
スマホの音声回線を使うのだから、標準の電話機能の発信履歴に残る。
既存の技術を使うことでシステムとの親和性が高い点はポイント高い。
音声回線なので、IP電話と違い通話品質が安定しているのも特徴だ。

しかし問題が無いわけでもない。
先に述べたように、格安IP電話に比べると高い通話料がかかってしまう。
さらに、同じキャリアや家族といった、もともと無料で通話できる相手に、
何も考えずに楽天でんわを使うと課金されてしまう。
相手が無料かどうかの自動判別は出来ないので、ユーザが選択する。
そのためアプリでは0037を付加しない発信ボタンが用意されていたり
設定した番号は常に付加しないといった設定ができる。

それでも、0037をつけるだけで利用できるというのは、価値がある。
アプリがなくても、つまりガラケーでも利用できる点は見逃せない。
フュージョンへの利用申し込みはネットですぐに完了するし

と、楽天でんわを手放しに褒めたけど…
やっぱりSkypeクレジットとかと比べると高いなあ。
実際、友人や内輪ならSkypeやLINEの音声通話機能で十分だ。
更にiPhone同士であればFaceTimeが使える。
ただ、どんな相手にでも使えるわけではない。