湘南ってどこなん?

ひじょうにむずかしい質問です。
具体的に定義があるわけではないですし
湘南という言葉に良いイメージと悪いイメージを持つ人がいて
それぞれの人や世代によってエリアが大幅に変わるからです。

一般的には神奈川の相模湾沿いで
かつ、東海道の南側に見える風景に入る範囲を指します。

ここから先は、神奈川県の地図を見ながら読んだ方がいいと思います。
県民なら見なくてもわかると思うけど。

歴史的には、江戸時代までさかのぼり
平塚に湘南平という景勝地があり、そこから見える松と海岸線の風景、
今の地域で言うと大磯?茅ヶ崎(江の島)あたりを湘南と呼びました。
従って、大磯の地元民は我々こそが湘南だと思っています。
もちろんこの頃は「湘南」という言葉にブランド性なんかありません。
ただ、ちょっと想像してみてほしいのですが
今と違い建物が無く、少し高いところに登ればきっと三浦半島まで見渡せる
とても風光明媚な場所だったに違いありません。

しかし昭和の頃、石原裕次郎が逗子で湘南という言葉を使い始め
イケてる!カッコイイ!優雅!というイメージを全国的に広めたため
茅ヶ崎(江の島)?葉山あたりが湘南と呼ばれました。
暑い日差し、遠浅の海、さざ波、ヤシの木、水着、パラソル、ヨット
というイメージです。

湘南のエリアが一気に東に移動したため、戸惑う人もいました。
鎌倉・逗子・葉山は歴史・文化があり、上流階級の別荘地でもあり、
格式高い土地なので、他と一緒にしないで欲しいと思われたのです。

とはいえ、石原効果は根強く、そのイメージな装いの人を今も見かけます。
(イメージに憧れて引っ越したのかもしれないね)
また、大磯や平塚の人からすれば、なぜ東海道が無い地域が湘南なのだ?と
疑問を持たざるを得ないわけです。

その後、サザンオールスターズが、平塚?茅ヶ崎のエリアを
湘南イメージを大きく打ち出して広めたのと、
平塚、藤沢、茅ヶ崎がそれに乗っかって湘南という言葉を売ったため、
また湘南のエリアが少し西に移動しました。
大磯はあんまりアクションを起こしません。元祖の貫録でしょうか。

大磯・平塚には地名として「湘南」のつく場所はたくさんあるのですが
先の裕次郎の男らしくて爽やかなイメージがあまりに強かったため
茅ヶ崎より西は、湘南(のイメージ)じゃない!という人が出てきました。
気持ちは分かります。

ただ、鎌倉?葉山エリアを湘南と呼ぶ人は若い人ほど減りまして
湘南とも呼ばれるが、鎌倉・逗子・葉山という特別な地域なんだよ、という
独特のイメージのエリアだという認識が定着しています。

理由はよくわかりませんが、大磯より西の地域は湘南と呼びません。
二宮?小田原?真鶴は、西湘と呼ばれています。
多分、岩や磯が多く、波も高く、風景的に険しいイメージあるからと思います。

基本的に海の無い市町村は湘南とは呼ばれません。
行政区分(湘南ナンバーが発行されるエリア)はもっと広いのですが
海が無きゃ湘南じゃないでしょ。