橋下氏の話題が盛り上がっている中あえて何も言うまいと思っていたが、
韓国の慰安婦会が面会キャンセルというマッチポンプを見て、
やっぱり皆考えて行動しているなあと思わざるを得なかった。
橋下氏は、この面会の始終をインターネットで世界中に公開することで、
判断は視聴者にゆだねるつもりであった。
その条件で慰安婦会側と折り合いがつかなかったのではとの憶測がある。
(慰安婦会側が感情的になれば、まさに橋下氏の思う壺であり、政治利用と言える)
慰安婦の問題は、突き詰めると「戦争は人権侵害か」という話に帰結する。
慰安婦の件を、韓国側の私怨や目的を抜きにして議論すれば
いわゆる「人権問題」に集約される。
被害者もそれを全面に押し出したロビー活動をしている。
しかし、戦時中の人権問題は数を上げればきりがない。
慰安婦については、日本や軍が慰安所を設置したいと考えたわけではなく
日本人や朝鮮人からの慰安宿の設置申請が相次いだため許可された、とされている。
いわゆる軍需ビジネスである。
もしかすると、それを煽った軍部や役人はいたのかもしれないが。
もちろん仲介業者がどのように慰安婦を集めたかまでは監視していないため
ここでお互いの見解の相違が発生しているものと推測される。
ちなみに終戦後は、GHQが米兵向けの慰安婦の調達と性病予防の管理を東京に命令した。
当時は大変貧しく、収入の良いパンパンと言った不法な売春で家族を食わせる女性が多数おり、性病も大きな問題だった。父親や兄を米兵に殺された、15?6の娘が、性について正しい知識を持たずに、米兵に体を売るのである。
そこでアメリカは合法的に、安全な売春の仕組みを作ったのだ。
しかし日本人の元慰安婦がアメリカに抗議した話は聞いたことはない。
戦争に絡む人権問題の話は幅広く、あんまり人権人権と声を上げ続けていると
例えば、指揮系統が暴走し勝ちな最前線でよく起きた
虐殺事件や略奪行為という、別件にも飛び火し、「お前が言うな」状態になる。
韓国軍だって他人事ではない。
こういった事件は当然、国家として公式に命令されることはない。
ただ、ナチスのような例外はあるし、侵略・侵攻については見解の相違こそあれ
国家が主導して暴行をふるう行為である。
例えば日中戦争は日本国家の主体的な侵略だ。
民間人への大量殺戮兵器の使用も当然、人権問題の範疇に入ってくる。
日本とアメリカの関係で言えば、原子爆弾や、東京・名古屋・大阪・福岡の大空襲である。
アメリカは国民に、「あの時は戦争を終わらせるため仕方なく使った」と説明しているし、
東京大空襲は原子爆弾と同レベルの死傷者を出しているにもかかわらず
アメリカ人は知らない。習わないから。というか、世界的に見ても、日本人しか知らない。
おそらく、人権侵害の規模で言えば、世界で一番アメリカが触れたくない話題である。
「戦争だから仕方がなかった」
フランスは、ドイツに「戦争だから仕方なく侵略された」で納得するだろうか。
帝国主義時代の考え方を今の人が評価すると、おかしいと感じるのは普通だ。
しかし先進国の人間は過去を忘れず、今と未来を見て関係を修復している。
戦争は人権侵害か。
当時そんな考えを持つ人はいたのだろうか。
橋下氏の問題提起は、正直なところ耳が痛い先進国が多いのではないかと思う。
寝たた子を起こすなという圧力が悪い方向に動かないことを願う。
しかし大阪市議会は大迷惑だな。