確かに、携帯電話の通信速度はこの10年で飛躍的に向上した。
10年前の先進的な通信方式であったcdmaOneですら、
当初は14.4kbpsであった。(ドコモなどのPDCは9600bps)
14.4kbpsといえば、1994年頃のモデムの速度である。
これは、インターネットに繋いでWebサイトを見ようとすれば、
文字や画像のダウンロードに時間が掛かり、徐々に表示されるような速度であった。
感覚としては、Yahooのトップページを表示しきるのに10-20秒は要す。
(それを懐かしく感じる人もいる事だろう)
しかし10年前は、外出先で速度が欲しければ64kbpsを誇るPHSがあった。
エリアが広さが最大目的の携帯電話で、それほどの速度が出るのなら、
PCに繋いでメール確認程度の通信であれば必要以上の性能であった。
(ちなみにcdmaOne発売当時のモデムの速度は56kbpsである)
その後、1年ほどでcdmaOneでも64kbpsの速度が出せるようになった。
(auの端末では、PacketOne対応と呼ばれていた)
数年後、第三世代と呼ばれるCDMA2000が登場して
144kbpsという実用的な速度が出るようになった。
また、その後ドコモはW-CDMA(3G)を利用したFOMAでは
384kbpsが出せた。
この頃になると、携帯電話の使われ方が大幅に変わってしまい
端末だけで大きいデータのやり取りが頻発するようになった。
例えば、GPSや写真、音声、動画のメールであったり、Webである。
携帯電話の通信速度は、最大速度であり、
同一エリアのユーザ数により速度が分割されてしまう事は想像に難くない。
いくら大容量化してもやりすぎることはない時代になった。
その後、第三世代にどんどん改良が加えられ、互換性を保ちながら高速化が図られた。
FOMAなら7.2Mbps、CDMA2000なら9.2Mbpsが、現在の利用できる最高速度である。
(本気になればもっと何倍も速くできるが、
第四世代を見込んでいる点とコストがかかる点で、商用化されていない)
そして今、スマートフォンが普及し、ユーザが大量の通信を行っており
どのキャリアも通信帯域が枯渇している状況である。
更なる高速化が急務となっている。