絞り・アパーチャー

光学系の「絞り」は何のためにあるのかを考えてまとめた。

基本的なおさらい
・絞りとはレンズの有効口径を焦点距離で割ったもの。
 ->つまり焦点距離が長いと小さくなる。
・絞りの絶対的なサイズはF値で表される。
・同じF値なら、どんなレンズでも開放絞りは同じ大きさ。
・ただしF値が同じでもレンズ自体の透過率が違うため光量は違う。

絞りは、2つに分けて理解した方が早い。
○レンズに書いてあるF値の意味
○カメラで操作できる絞りの意味

以下、合ってるのか間違ってるのかよくわからんから、誰か採点して。。

・レンズに書いてあるF値の意味
物理の世界なのでイメージで理解する。
 窓一つない真っ暗な部屋を想像して下さい。
 外はピッカピカに晴れています。

 さて、次のどちらの部屋が明るいでしょうか。
 壁に小さい円形の穴があいている部屋
 壁に大きい円形の穴があいている部屋

これが、レンズのF値に相当するイメージ。
レンズの有効口径(前玉の大きさ)が壁の穴に相当する。
焦点距離が長いと、当然穴が遠いことになる。(つまり小さい)
だから、望遠レンズ(焦点距離が長い)は暗くなり
有効口径が大きいレンズは明るくなる。

前玉を小さくしたまま、明るさを保っているレンズも売っているが、
それは技術力で仮想的な大きい有効口径をレンズの前方に作っている。
言い換えればレンズの価格は、技術の値段。

・カメラで操作できる絞りの意味
まず必要な前提。
光とは、1点から発せられた1つの直線ではなくて、
1点から発せられ様々な角度に拡散する無数の直線であるということ。
こうなるともう線というより面のようなイメージ。ウニみたい。

だから、像の全体から光の線が1つでも入れば結像は可能であり
意図的に穴のサイズを操作する事で、像を崩さずに光量調整できる。

絞りの本来の存在理由は単なる光量調整で、
人間の目の虹彩がそれに相当する。
ただし、カメラの場合は光感度とシャッター速度で
光量調整に対応できるため、絞りはもっぱら被写界深度の調整に使う。

絞りは、絞る程ピントの合っていない部分も光が制限され、
結像部で許容錯乱円となりピントが合う。(当然、全体的に暗くなる)
つまり、被写界深度が深くなる。

絞りすぎるとまさにピンホールカメラと同じ状態になり
光の回折現象により揺らぎが生じ、全体的にモワァンとボケる。
これをねむくなると表現する人もいる。

絞ると被写界深度が深くなるのは人間の虹彩でも同じで、
目の悪い人は明るいところでピントが合い易く楽になる。
逆に、虹彩が開いてしまう暗いところでは見辛くなる。

また、絞りの形は入射する光をトリミングするため
錯乱円が絞りの形になる。
つまり、許容錯乱円でない錯乱円である「ボケ」も絞りの形になる。
人間の虹彩と同じ形の絞り(円)は美しくボケると言われている。
これを逆手に取って、絞りの形を可変にできるレンズもある。
(☆形や斜線にボケたりする)