マイナス金利

以前、金利の話を書いた気がする。
金利とは、貸したお金に対して払われる利子だ。
通常、金利というとその利子の利子率を指す。

貸したら利息がもらえるということは当たり前だ。
これは利率がプラス、すなわち0を超えているという事だ。
しかし、世の中にはマイナス金利という状況が発生する。

金利がマイナスということは、お金を貸したら利子を払うということか。
逆に、お金を借りたら利子を受け取れる??
どういう事だろうか。

金利についておさらいをする。
・金利が上がると債券が値下がりする。
・金利は、政府や中央銀行の公定歩合で決まってくる。
・貨幣の価値と似た動きをする
 金利が上がると、その貨幣で預金すれば利益が出るので貨幣価値が上がる。
 つまり日本の金利が高ければ、円高を見込める。ゼロ金利政策は円安を招く。
・ということは、金利でインフレとデフレを左右できる。
 貨幣の価値が下がって物価が上がる事をインフレと言う。

金利と経済の傾向

金利には、名目金利と実質金利がある。
*名目金利とは、一般的に良く見る金利だ。
1年後に額がどれだけ増えるかという金利。
*実質金利とは、インフレ率を名目金利から引いた数字だ。
経済状況を混ぜ込んだ、結果的な貨幣価値の変化を示している。

名目金利は、よほど特殊な事にならない限りマイナスにはならないが
実質金利はマイナスになりうる。

例えば、1年満期の債券を買ったとする。
債券には2%の固定金利がついており
100万円分の債券で、一年後に102万円が貰える。
その間、経済状況がインフレに傾いたとする。
インフレは進み、貨幣価値は年率2%のペースで下がったとする。
これをインフレ率2%という。
具体的には、100円で買えた物が1年後に102円になるという事だ。
すると1年後に貰える102万円が、
インフレのせいで債券を買った時の100万円と価値が変わらないのだ。
もし、年率2%を超えて貨幣価値がさがったとしたら・・・
それが、「マイナス金利」だ。(つまりこの債券は値下がりした、と言える)

重要なポイントは、お金の価値は金額の大きさではなくて、
1貨幣単位あたりの需要、ということだ。

有名なインフレはドイツのマルク大暴落だろう。。
貨幣価値が1/1000000くらいになってしまった。
金利が100%、つまり1年で2倍になるような預金をしていても
1/500000の価値になってしまったのだ。
凶悪なマイナス金利と言える。

更に、先ほど名目金利は0を割らないと書いたが
今の日本では全く無いわけではない。
理由は、信用の無くなってしまった日本の銀行が
海外の銀行へ金(円)を貸す際、借りてもらうために色をつけるからだ。
お金を貸すためにお金を払う。という状況が生まれている。