日本は金融ビッグバンの後、世界中の通貨を個人が手軽に扱えるようになりました。
国際金融市場のなかでも特に手数料の低さが目玉です。
クロスカレンシー取引と言って、
外貨を直接別の外貨に両替することも出来るようになりました。
さて、今回は為替と両替の話。
といっても、難しい事は抜きにして、為替レートの種類の紹介です。
海外旅行や外貨預金の際に必要な知識です。
為替レートや両替にも、卸売価格というものがある事を前提に
お読みいただければ幸いです。
間違いがあればコメントで突っ込んで下さい。
外国為替レートは一般的にニュースや電光掲示板で流されますね。
これは銀行間相場という、銀行同士が電信で行う為替レートです。
英語ではインターバンク・レートと言います。
まずこれが、基本となる為替レートの原価みたいなもんです。
東京で銀行間相場が決まる場を東京外国為替市場と言います。
べつに東証のような中心的取引所があるわけではありません。
つまりは東京で為替取引されて、決まってくるレートというわけです。
一般の人が外貨預金等をする時は、銀行から独自の為替レートが提示されます。
そのレートはこの銀行間相場を元にした「対顧客電信相場」となります。
対顧客電信相場とは、銀行間相場に手数料を加算したレートです。
銀行間相場が卸売価格なら、対顧客電信相場はマージンを足した小売価格。
対顧客電信相場は、売りと買いで手数料が違うため、レートが違ってきます。
円で外貨を買う時は対顧客電信売相場(TTS)が適用されます。
逆に、外貨で円を買う「買い手数料」を含む場合は対顧客電信買相場(TTB)となります。
ちなみに、この対顧客相場で儲けを得る側(銀行)は「両替商」と呼ばれます。
外貨預金や、海外でのクレジットカード取引や、
国内で外貨建てトラベラーズ・チェックを買う場合。
それに海外への外貨建て送金には、このTTSが適用されます。
両替と言えば、外貨を現金で買いたい場合があります。
国際空港やホテル、銀行での現金両替がこれにあたります。
この場合は、TTSに、更にキャッシュハンドリングチャージという
「現金取り扱い手数料」が加算されます。
現金の外貨はその国では価値がないので、輸送料などが必要なためです。
海外から帰ってきて、余った現金外貨を日本円に戻す際も取られます。
キャッシュハンドリングチャージも、売りと買いで違います。
なので、現金両替をなるべく避ける方が、手数料は有利になります。