飯山の、はしば食堂

昨夜、22?23時頃、家の近くの西友の駐車場で
タイヤ交換をした。もう絶対交換しないとヤバかった。
今日、上田まで行く必要があったからだ。
上田と塩尻の間には、三才山トンネルという有料道路を通る。
ここが微妙に難所で、峠越えであり、雪とか凍結とかあるのだ。
本当に長い急勾配で、エンジンの弱い車はイジメに遭う。
時々トラックが横転していたり、接触したりしている。
スタッドレスタイヤは、凍結路面と雪路面に強いため
冬の三才山越えはスタッドレスが必須なのだ。

着々と装着していると、近くで寝てたトラックの運ちゃんが
そのライトで照らしてくれた。まぶしすぎる。
いざ履いてみると、空気が抜けていた。かなりぺちゃんこだ。
そのままとりあえず数キロ先のガソスタに行き、空気を注入した。
よくある持ち運べる空気タンクを使い切ったくらい抜けていた。

家に帰る途中、狸2匹が俺の前を堂々と走った。
時々後ろの俺を振り向く。絵に描いたような立派な狸達だ。
顔が狸なんだから何度も振り向くな。ていうか通してくれ。
ミンチにはしたくなかった。

朝起きると、よい天気だった。雪でも降ると思ってたんだが。
いざ三才山だ。SoulJaのSpiritsをガンガンかけて走る。
箱根みたいにブレーキ故障で突っ込む場所は無いし
エンジンブレーキの使い方みたいな看板も無い。
そんなことも知らない人は長野に住めないから必要ない。
ガソリン車に軽油を意図的に入れるアホがいる時代だけれども。
子猫を電子レンジで乾燥しようとして死んじゃった話と同レベルだ。
(諸外国にはノイローゼで赤子をレンジにつっこむ親が居るが。。)

上田で友人Oと合流し、友人Oの車に乗り換えて飯山に向かった。
目的は新蕎麦を食べるためだ。
蕎麦は11月に新蕎麦となる。
飯山の富倉という地域の蕎麦はちょっとしたものだ。
蕎麦=戸隠(とがくし)というイメージがあるが
長野県はどこでも蕎麦の名産地で、美味しい所はたくさんある。

そばを食べるためだけに片道数千円の高速で行くなんて
バカらしいように思えるかもしれない。
富倉の蕎麦は、おばあちゃんが自宅の古屋敷でやっている。
ここらは、おばあちゃんが家の味としてお萩やボタ餅をつくるように
蕎麦を家の味として作って食べる地域なんだろう。
こういう類いのものは、地に行かないと味わえない。
山の井戸水とそば粉を東京に持ってきて作るとしても無理だろう。
何故なら田舎独特の民家の内装等も、感じる味に影響するからだ。
山の霧やぞくっとする肌寒さ、鳥の音、流れる水音も重要だ。
あとそば湯もかなりの粉が溶けるため、尋常じゃない濃さとなる。
ドロリとした葛湯くらいの濃さだ。それがまたうまい。

山の中で本当に田舎だ。
子供や孫は、都会に憧れて出て行ってしまう。
蕎麦を手作りするなんてダサいとも思うのかもしれない。
ここは残った老夫婦だけが住まうところだ。

おれは何か、『もったいないな』と思った。