音楽は数字

コンピュータの世界で、音楽は数字です。
そりゃCDやMP3はデジタルだから数字でしょう?
いえ、違う意味で、数字です。

例えばピアノをとってみましょう。
そのピアノの種類、叩くキー、強さ、長さ、鍵を離す速さ(強さ)、その時の条件(ペダルやその他の変化要素)を、128段階でそれぞれ表すことで、初めて一つの音符を表現します。
これをしっかり理解していないと、音楽は感性だ!と一蹴することになります。
確かに、昔は全て人が楽器を奏でていたので、曲の抑揚や気持ちのこもった音は感性と言えました。指揮者によってもずいぶん印象の違う曲になります。
しかし、今では、その気持ちのこもった音を数字で表現する必要があります。サンプラーという楽器を使う時は「生音」ではありますが、「音色」の録音なので同じ音しか出ません。同じ音符を奏でる時には同じ音が出ることになります。

演奏に関しては、完全に数字に支配されるシンセサイザーですが、感性が必要な部分はもちろんあります。
それは、作曲、つまりメロディです。鳴らすことはできても、作曲はコンピュータにはできないのですから。
しかし、音楽を数字で表現することが悪いことかというとそうではありません。
例えば、シンセサイザーピアノなどで坂本龍一さんが作曲して演奏しますが、この人はコンピュータでの音楽に精通しています。
日本で弾いたピアノの演奏データをリアルタイムで各地のMIDI音源に流すことで、世界中で同じ演奏をその場で楽しめます。(ということを以前やりやがりました)
これは録音ではなく、演奏した指使いなどを全てデータ化して、各地の「楽器」に入力することで演奏させるので、臨場感が全く違いますし、音を楽しむ+演奏を楽しむという二重のエンターテインメント性があります。

コンピュータを使う音楽は数字です。といっても殆どの曲がコンピュータ使ってますが…

そんなわけで、何も知らずに音楽は感性だ!とかいうと恥ずかしいですよ?
というお話でした。

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