掃除掃除

最近、週末に
先輩やら後輩やら友人やら何処かで飲み会を終えて
ウチに遊びに来ては食べ散らかして帰ってゆくので
いつも掃除ばかりしている。

慕って遊びに来てくれるのはいいのだけれど
なにしろ狭い独身用のアパートである。
いい大人が3人も4人もぞろぞろやってきて
ぷよぷよテトリス桃鉄…遊ぶのはそれなりにうるさい。
馬鹿騒ぎに慣れば夜中の3時だろうが追い出すところだ。

都市部ではどうか知らないが
社会に出て突然、長野の人になった自分としては
誰かの自宅が遊び場になるのはよく理解しているつもりだ。
遊び場、飲み屋もバーも、駅の周りにしかないのに
職場は駅から大変離れており、車で通勤するのが普通だからだ。
職場の飲み会は、定時後に会社の会議室や食堂で
ケータリングのビールサーバで…なんてのもよくやった。

そんな生活環境では金曜日は残業して皆で帰りコンビニで酒を買い
誰かの家になだれ込んで小さくワイワイやるのがラクで楽しいのだ。
寝たい奴、ゲームしたい奴、料理したい奴、各々が勝手に動いて
ちょっとしたパーティーのようになるわけだが、
やっぱり地方だから、部屋が広いから出来ることなのだろう。

で、こういうのに慣れると、人が自宅に来るので
習慣として、頻繁に部屋の掃除をするようになる。
理由はもちろん、汚れるからだが、
ちゃんと掃除してるぞとアピールしたいからでもある。
女の子が自宅に遊びに来る直前に、必死で掃除するアレと似ている。
うおりゃ!とキッチンや風呂のマット、カーテンまで洗濯してしまう。

しかし、埼玉に来てからというもの、自宅に誰かをあげることが
めっきり減り、今は彼女もいないためすっかり荒れ放題になっていた。
チリツモで増えた物や汚れは、すぐには減らせない。
ここ最近のこの流れは、神が自分に掃除を命じているのだろう…
そんな風に考えて黙々と掃除していると、あることに気が付いた。

掃除してると心が元気になる。

心が疲れてるときは、本当に何もやる気がしないものだ。
大好きだった趣味にも全く興味がわかず、
自分自身がダメになっているな、と心底つらい気持ちになる。
孤独感、絶望感、自信の喪失といった気持ちすら湧く。
仕事中でも集中できず、嫌な思い出や気持ちがリフレインする。
気がつけば独り言をつぶやいてしまう。

そんな時は心が疲弊している。
心が元気なときは何にでも興味を持って楽しく取り組めるものだが
疲弊すると全くダメになる。
とりあえず、仕事を休んで寝まくるしかない。
何も考えなくて済むバラエティや映画を観てチャージするわけだ。
そして、すこしだけ元気が出てきたら
黙々とできる単純作業に没頭するのがいい。
料理とか、読書とか、洗車とか、ジグソーパズルとか
なんでもいいのだが
掃除も、ちょうどいい作業なのであった。

学生のころ、テスト期間、勉強したくなくて部屋の掃除してたら
段々掃除が楽しくなってきてしまって
部屋はピッカピカになったが、テストは悲惨な結果に終わった経験。
あのような感情が芽生えてきたら、回復しているはず。

また、たぶん掃除により部屋がスッキリしたことも要因の一つ。
5Sなんて言葉が昔からある。
汚い環境が自分をダメにするのかもしれない。

さあ、いつもの店に繰り出そう。今日は何を飲もう。
カウンターには誰かいるかな。LINEで呼び出そう。