臨機応変

20代の頃は、臨機応変という言葉が好きだった。
前向きに積極的に事を運ぶには、想定外の出来事がつきものだった。
アクシデントを恐れては何もできない。
まずは、やろう。臨機応変に対応すればいい、とそう考えていた。

しかしその臨機応変は、想定外の事態が起きた時に、初めて「考えて」
最悪の事態に陥らないようにするだけであった。
つまり、ゴマカシになることが殆どであり、
当初の期待以上の結果をもたらす「臨機応変」にはならなかった。

臨機応変という言葉について考えてみたが
状況を利用・活用することで、結果をより良くする事を考えるべきで
計画性のない臨機応変は、行き当たりばったりと同じだ。
ウンコで幼稚な行動原理そのものである。
「現実は仕方がないよね」というにはまだ少し考えや行動が足りない。

なんでこんなことになっていたかといえば、
その臨機応変は組織立った計画性が無かったからである。

計画性というと、カッチリした予定を立てて
それに従って行動するようなイメージを抱きがちだが、違う。
計画性とはあらゆる事態に対応し目的を遂行するための準備である。

計画性があれば、ある事態にチームの誰が遭遇しても皆同じ対処を行う。
人は自ら考えて行動できるのだから、計画として方針だけあれば
あとは個人が勝手に判断し、全員で目的を達成してくれるだろう。
(何をしたらいいかわからないと言って、できない人も多いのだけれど)

計画性は、想定外の出来事を起こさないためにある。
また、想定外の出来事が起きても結果には影響しないように
丸めてしまう仕組みを作ることでもある。

とある夢の国のアクションイベントでは、
キャラクタが派手に動いて演じるため公演中に事故が発生することがある。
変なタイミングで足を踏み外し、水に落ちたりするわけだ。
舞台劇は人が演じるのだから、少しくらいの手違いやシナリオ修正はよくある。
劇団員はその場その場に合わせ、うまく立ち回って修正するわけだが
その夢の国のイベントは舞台装置が大がかりなので個人レベルではなく
別のシナリオに分岐してエンディングに到達するという手法をとる。

もし経験があれば、それについてどのようにすればよいかなどは
想像ができるし、もっとうまいやり方を知っているだろうから、
自分以外の人ももっとうまくできるよう計画性の考えが肝要だ。
組織はリーダー1人のものではないし、リーダー1人では何もできない。
全員で責任を共有している意識が必要だろう。