日本の測量原点のズレ

東日本大震災:日本の「原点」ずれた
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20111019ddm012040028000c.html

東北では、大きいところでは2.4mも東にズレたそうですが
日本の経緯度原点と水準原点もズレていたそうです。
経緯度原点とは、東西南北の原点で、水準原点とは、高さの原点です。
これら2つを合わせる事で、3次元の座標を構成できるのですね。
#原点のズレは、GNSS測量機による測量で分かるそうです。
#国土地理院の資料に載ってました。

これがどんなことになるのかというと、全国土の地図の書き直しです。
紙やWebやカーナビの地図の座標は不正確になったという事です。

#コンピュータ上で扱う地図は、実際のデコボコな地球とは違う
#滑らかな楕円の模擬地球モデルに地図を貼付けて扱っているため、
#元々誤差があり、それに収まるズレであれば今回の件は問題になりません。

3/11の地震以降、車で東北の特にズレの大きい地域に行くと、
カーナビの地図を24mや12mなどの詳細にしていれば
自車位置が、道から何度もずれてしまうかもしれませんね。

#昔のGPS信号には誤差信号が含まれていたのですが、今は無いため
#同じ場所で測位し続けていれば、1cm程度の誤差に収束します。
#カーナビは1秒間に10回測位した平均を画面に表示していますので
#自力で高精度な測量を行っている代表的な民生機器の1つです。
#(安価なポータブルナビや携帯電話は1秒間に1回程度の測位で、
# 車速センサも無いため、車の速度に追いつかない事があります)

今はGPSという、人工衛星の信号で自分の位置を
高精度に特定する方法があるため、基準点がズレても
再測量は迅速に行われると思いますが、皆さんの持っている地図が
瞬時に不正確になるという事態は、影響が大きいですね。

基準という上流行程が狂うと、下流行程が台無しになる良い例でしょうか。
自戒の意味を込めて。